Googleマイビジネスを活用した店舗の集客支援サービスを行う株式会社エフェクチュアル(本社:東京都港区、代表取締役:田中倫明)は、2019年8月にGoogleマップ検索時の表示順位について検索位置と店舗の距離がどのように影響しているか調査を行いました。
今回の調査で得られた結果からGoogleマップ表示順位のアルゴリズムについて考察をレポートします。
■調査概要
・ランダムに選出したキーワード208件を元にGoogleマップで検索を行い抽出した3538店舗を対象
・Googleマップの検索表示順位、検索時の座標、店舗の座標を取得
・Googleマップの検索時の座標、店舗の座標から距離(メートル)を算出して検索表示順位との関連性を分析
・検索にはスマートフォン・パソコンを使用
■調査結果
1:検索位置から店舗までの距離と順位の相関
縦軸を順位・横軸を距離とし、距離ごとの順位に関する箱ひげ図(図A)を作成すると300m〜5300mは順位のばらつきが多いものの、距離が遠くなるにつれ、順位の四分位範囲が上振れしていく傾向が見受けられます。
これにより検索場所と店舗の距離が遠くなるほど順位が下がるという仮説が考えられます。
図A:検索位置から店舗までの距離と順位の相関を表す箱ひげ図
2:相関に関する統計量
上記「店舗の距離が遠くなるほど順位が下がる」という仮設について、順位は順序尺度であるため、質と量の相関性を評価するスピアマンの相関係数を用いたところ0.084となり相関は認められないことがわかりました。※
また、順位・検索位置から店舗までの距離をヒートマップ(図B)で表したところ、色が濃くなるほどデータの数が多く密度が高くなり、濃淡の差である等高線が上に向かって伸びている傾向から、距離とは関係なく順位が下がっていることがわかりました。
なお、距離が10000mと例外的に大きい値がグラフにあることでヒートマップの傾向が見えなくなっている可能性を考慮し、四分位範囲の1.5倍を上限とする外れ値を除きヒートマップ(図C)を作成したが相関に関する傾向はみられませんでした。
※相関係数は±0.6程度で弱い相関、±0.8以上で強い相関とされており、±1が最大値となり0に近い値ほど相関がない。
図B: 「順位」と「検索位置から店舗までの距離」のヒートマップ
図C:外れ値を除く「順位」と「検索位置から店舗までの距離」のヒートマップ
次に検索表示順位1位から10位までの店舗について、各順位ごとの距離に関する確率密度関数を算出したところ、順位ごとに若干分布が異なるように見受けられる結果となりました(図D)。
各確率密度関数で同一の分布か、異なる分布か適合度を確認するため、2標本の比較をするコルモゴロフ-スミルノフ検定を用いて有意水準5%として1位から20位までの確率密度関数について全組み合わせでp値を算出した(図E)。
順位の差が大きくなると確率密度関数の適合度が低くなりp値が低くなることを想定していたが、p値が0.05を下回っており分布が異なると言えるものはないことがわかりました。
図E: 順位別の確率密度関数におけるp値
■今回の調査によるアルゴリズムについての考察
・統計的に検索位置と店舗までの距離が順位に影響する相関関係は認められなかった
・箱ひげ図から少なからず距離が検索表示順位に影響を与えているということがわかるが、単一指標に基づく定量的な相関関係ではなく、距離の他、様々な要素と検索表示順位が連動していると考えられる
■エフェクチュアルについて
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