最終更新日 2024.10.7
法務省の発表によると、2020年に対応したインターネット上の人権侵害に関する事件は1,900件以上です。事件になっていないケースもあることを考えれば、誹謗中傷の被害は、誰の身にも起こる可能性があります。そこで本記事では、警察や弁護士、民間業者など、被害を受けた際の相談窓口をご紹介します。
(参照元:http://www.moj.go.jp/content/001344251.pdf)
自社で削除依頼をしたい、アドバイスがほしい時は総務省
インターネットで誹謗中傷などの被害を受けた際、自社で削除要請をしたいけれどどのようにすればよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめしたいのが、総務省の支援事業である「違法・有害情報相談センター」に相談することです。
違法・有害情報相談センターでは、誹謗中傷やプライバシー侵害など、インターネット上の違法性のあるトラブルについて、書き込みの削除要請方法をはじめとする様々な対応策の助言や必要な情報提供を行っています。
相談は相談フォームで受け付けており、相談費用は無料です。相談内容に応じて、他の関連諸団体への紹介もしてくれるので、自社で削除依頼をしたい場合や、問題解決のために何から取り組めば分からない場合は、まずはこちらに相談してみることをおすすめします。
削除を要請してもらいたい場合は法務局
自社でプロバイダに削除要請してみたものの、一向に対応してもらえないケースもあることでしょう。そのような場合は、最寄りの法務局に相談してみるのがおすすめです。その書き込みが名誉棄損やプライバシー侵害などの人権侵害に該当する場合、法務局がプロバイダに削除要請をしてくれる場合があります。
法務局名義で削除要請をすることによって、自社で削除要請した場合よりもプロバイダにプレッシャーを与えられるでしょう。とはいえ、その反面、法務局が違法性の調査や判断をするのに時間を要する場合もあるので注意が必要です。また、法務局からの削除要請も実際には任意措置に留まり、法的な強制力はありません。それゆえ、もしプロバイダが法務局の削除要請にも応じなかった場合、法務局では相談者に対して、裁判所に削除の仮処分命令の申立てをする方法を案内しています。
法務局への相談はメールや電話でも行えます。法務局では、自社で削除要請したい場合の助言や、関係機関への案内などもしてくれるので、前項の違法・有害情報相談センターと同様に、最初に公的機関に相談したい方におすすめです。
削除を促す通知をしてくれるセーファーインターネット協会
公的機関以外でもプロバイダへの削除要請を代行してくれる団体は存在します。そのひとつが一般社団法人「セーファーインターネット協会」です。同協会は国内・国外問わず、誹謗中傷などが書き込まれたサイトに対して、該当する書き込みの削除等の対応を促す通知を送ってくれます。
法的な強制力はないため、実際に書き込みが削除されるかどうかは相手次第になってしまいますが、国外のサイトにも対応してもらえるのはありがたい点でしょう。セーファーインターネット協会への相談は無料で可能で、相談や誹謗中傷への対応依頼はWeb上の入力フォームから行えます。
ただし、セーファーインターネット協会は基本的に「立場の弱い個人」を優先してサポートしているため、著名人や企業として相談する場合には対応を断られる場合もある点に注意が必要です。
身の危険を感じる場合は警察署
誹謗中傷を行った相手方を処罰してもらいたい場合や、書き込みに脅迫的な内容が含まれていて身の危険を感じる場合は、最寄りの警察署に相談しましょう。
警察に正式に対応をお願いする場合は、「被害届」を提出します。被害届は自分で必要事項を記入した書面を作成して警察に提出することもできますが、修正や追記を求められることも多々あります。それゆえ、警察や交番に出向き、その場で直接助言を受けながら作成した方が出しなおしなどの手間が避けられるでしょう。あるいは供述内容を基に警察官が被害届を代筆してくれる場合もあります。
警察に被害届を提出する際には身分証明書の他、被害の事実を確認できる証拠資料を準備して持参しましょう。具体的には、スクリーンショットなどで記録した誹謗中傷の内容をプリントアウトしたものや、該当のWebサイトのURL情報などが該当します。
ただし、書き込みが誹謗中傷だけに留まっているなど、「身の危険がない」「事件性が低い」と判断されると、警察は対応してくれない場合もあります。逆に言えば、「殺してやる」などの脅迫的な書き込みがある場合、警察が対応してくれる可能性は高まるでしょう。そのため、被害届を記入したり、口頭で被害を申告したりする際は、そうした危険性の高い書き込みを優先して報告することを推奨します。
誹謗中傷の投稿を削除できる可能性が高いのは弁護士
自社や法務局などで削除要請をしてもプロバイダに対応してもらえない場合、または警察に相談しても対応してもらえなさそうな場合は、弁護士に相談してみることをおすすめします。弁護士に相談すれば法的手段で削除要請をしてもらえるため、最終的に誹謗中傷の書き込みを削除できる可能性も高い選択肢と言えるでしょう。
相談を受けた弁護士は、裁判所に申し立てをして、記事の削除を求める仮処分命令の発令を働きかけます。これは法的な拘束力を持つ命令のため、個人からの要請は無視していたプロバイダも従わざるを得ません。もしプロバイダが無視した場合も強制的な執行手続きが行使されるため、確実に問題の書き込みを削除できるでしょう。また、誹謗中傷の発信者に対して損害賠償請求などを求める場合は、民事訴訟を起こすことも可能です。
裁判所への申し立ては個人でも可能で、法務局でもその方法を案内してくれます。しかし、こうした手続きは煩雑になりがちですし、法律の専門家である弁護士が証拠収集や主張を行った方が、裁判所が仮処分命令を発令する可能性も高くなるでしょう。
ただし、弁護士に依頼した場合は弁護士費用が必要になります。特に民事訴訟を起こす場合は裁判も長引きやすく、その分必要経費もかさんでしまうことでしょう。それゆえ、弁護士に具体的な対応をお願いする場合はそのコストも覚悟した上で依頼する必要があります。
誹謗中傷の実害を最小限に抑えるには専門業者
弁護士は法的手段に則って削除要請を実行しますが、それとは別に専門の業者に相談・依頼をして、技術的手段によって誹謗中傷の被害を抑える方法もあります。
自社のサイトを検索結果の上位に表示させ、サイト訪問者を増やす方法を「SEO対策」と言いますが、専門の業者はこれを逆用し、誹謗中傷が記載されたサイトが表示されにくくなるように「逆SEO対策」を講じてくれます。
つまり、問題のサイトよりも集客力の強いサイトを作って検索上位を独占することによって、誹謗中傷の閲覧者を一気に減らし、情報の拡散などの二次被害を食い止めることが可能なのです。こうした対策を講じることで、誹謗中傷の発信者が新たな書き込みをしてもその閲覧者は少なくなり、大きな風評被害を予防できます。
こうした専門業者の利用は、プロバイダへの削除要請と並行して行うとよいでしょう。というのも、削除要請をしても実際に書き込みが削除されるまでには時間がかかる場合もあり、その間に被害が拡大してしまうこともあるからです。あるいは、削除要請がプロバイダに無視されたり、裁判所が仮処分命令の申し立てを棄却したりすることも考えられます。
それゆえ、そうした場合に備えての保険としても、こうした専門業者の利用はおすすめできます。専門業者は迅速に「逆SEO対策」などを講じてくれるので、それによって被害を最小限に抑えつつ、問題の書き込みが削除されるのを待ちましょう。
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これらのサービスを連携させることで、エフェクチュアルは相談者への誹謗中傷を「見える化」して早期発見し、問題のサイトやネガティブな検索語句を上位表示させないように効果的に対策を講じるのです。
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上記のように、インターネットでの誹謗中傷については様々な機関・団体が相談を受け付けています。今の時代、インターネット上の情報はあっという間に拡散してしまうので、もし被害にあってしまった場合は、自社のニーズに合った機関に迅速に相談するようにしましょう。
まとめ
この記事では、インターネットで誹謗中傷等の被害を受けた際に相談できる機関・団体を紹介しました。ここで紹介した各専門家に相談すれば、自社のニーズに合わせた解決策を知ったり、サポートを得たりすることが可能です。もしインターネットの誹謗中傷被害を受けてしまった場合、あるいは被害を受けて困っている知人がいる場合は、早期にこうした専門家に相談するようにしてください。