最終更新日 2024.11.6
「炎上を防止するための対策とは?」
「そもそも炎上する原因は?」
「炎上したときはどのように対処すべき?」
SNSなどの投稿が原因で、自社や商品、サービスに対するネガティブな情報が拡散する炎上被害は、一度発生すると事態の収拾に多くの時間や労力がかかります。
炎上を未然に防ぐための炎上対策は、すべての企業において重要な課題です。
また、炎上してしまったときの、具体的な対処法についても準備しておかなくてはいけません。
しかし、炎上対策といわれても何から手をつけたらよいのかわからない方も多いでしょう。
本記事では、6つの炎上対策を紹介するとともに、炎上の原因やそれによって企業が被る被害、炎上への対処法についても解説します。
炎上とはどのような状況なのか
炎上とは、SNSによる特定の投稿に対して、非難や誹謗中傷が殺到して収集がつかない状態のことです。
本章では、炎上がどのような状況なのかを把握するために、SNSにおける炎上までの流れを解説します。
SNSで炎上するまでの流れ
近年、炎上が増えた理由のひとつは、先行きが不安な社会状況となり人々の不安が高まったことだといわれています。
SNSで炎上すると、その状況がTVやニュースサイトといったマスメディアにも伝わり、さらに被害は大きくなる可能性が高いです。
早期に炎上対策を実施しなければ、鎮火が困難になるでしょう。
適切に対処するためには、炎上の発生する原因や流れについて把握しておく必要があります。
炎上が発生する流れは、以下の通りです。
- SNSで炎上の原因となる内容が投稿される
- 投稿を見た他のユーザーが内容についてコメントやシェアをする
- 投稿が拡散されて多くのユーザーの目に触れる
- ネットニュースやまとめサイトなどへ情報が拡散される
- TVや新聞などのマスメディアにも情報が拡散され、広く社会に知れわたる
マスメディアにまで情報が拡散されると、炎上への対処が非常に困難な状況だといえます。
できるだけ原因を早めに特定して対処することはもちろん、普段から未然に防ぐための炎上対策を実施しておくことが欠かせません。
企業が炎上するよくある原因は5つ
企業が炎上被害にあうと、大きなダメージを被ります。
炎上の原因を把握したうえで、未然に防げるよう対策を講じましょう。
本章では、おもな炎上の原因を5つ紹介します。
原因1.従業員による不適切な投稿
従業員によるSNSの投稿が、炎上の原因になるケースは非常に多いです。
近年、多くの企業がSNSの公式アカウントを運営していますが、担当の従業員が不適切な投稿を行った場合、炎上につながるリスクが高くなるため注意しましょう。
例えば、公序良俗に反する内容はもちろん、ジェンダーや政治、宗教などセンシティブな内容を投稿するのは、炎上リスクが高いので避けるべきです。
従業員に悪気がなかったとしても、ちょっとした解釈の違いによって炎上につながるケースもあります。
また、自社のSNSアカウントであることを知らず、従業員が個人アカウントのつもりで投稿してしまった場合は、企業に対する不信感が高まり、炎上リスクはさらに高くなるでしょう。
いわゆる「誤爆」と呼ばれるものです。
運用のガイドラインを定め、内容を投稿する前にチェックする体制の構築が必要になります。
原因2.従業員や経営層の不祥事
従業員や経営層の不祥事が発覚し、マスメディアなどに拡散されることによって、企業に対するクレームや誹謗中傷が多発して炎上につながるケースもあります。
例えば「バイトテロ」と呼ばれる、アルバイト社員が自身の悪ふざけする姿をSNSで投稿することによって炎上し、企業の信用が失墜する事例は後を絶ちません。
また、経営層の脱税や不倫、違法薬物の使用といった事実が報道されることによって、批判の矛先が企業に向けられ炎上につながる可能性もあります。
従業員や経営層の不祥事による炎上内容は、その様子がSNSやWEBのまとめサイトなどに、長期間残り続ける可能性が高いです。
信用を回復するためには、多くの労力とコストが必要になるでしょう。
原因3.悪質な商品やサービスの提供
質の低い商品やサービスを提供した結果、ユーザーからのクレームや悪評が広がり、炎上につながる場合もあります。
商品やサービスのクレームや悪評、誹謗中傷は、企業の収益にダイレクトな影響を与えるため、炎上によるダメージは深刻なものとなるでしょう。
該当する商品以外の評判やブランドの評価が悪化する可能性もあるため、SNSやWEB上における自社の商品やサービスに対する意見は、常に監視しておく必要があります。
原因4.従業員による内部告発
従業員による内部告発も、炎上の原因になり得ます。
労働環境が劣悪であったり、不適切な事業活動を行っていたりすると、従業員に社内の状況をリークされる可能性があるからです。
例えば、社内でパワハラやセクハラ、長時間残業などが横行している場合、不満をもった従業員がありのままの状況をSNSへ投稿することによって、炎上につながるリスクがあります。
従業員による内部告発が原因で炎上するケースは大企業などにも多く見られ、顧客や株主の信頼を失ってしまう事態に発展する可能性があるため、適切な経営を心がけるべきでしょう。
原因5.誹謗中傷
自社や商品、サービスまた、従業員などに対する事実無根の誹謗中傷によって、炎上するケースもあります。
たとえ事実無根であっても、早めに鎮火しなければ、大きなリスクにつながる可能性があるでしょう。
企業に対する個人的な感情によって、悪意をもって誹謗中傷の投稿を行うユーザーも、残念ながら存在します。
あまりにも悪質な場合は、弁護士や警察などに相談して、法的措置の実施も視野に入れなくてはいけません。
企業が炎上によって被るダメージ
炎上の被害にあった企業は、収益や企業イメージ、ブランド力の悪化につながるため、収益の減少は避けられないでしょう。
炎上が拡大することによって、ユーザーが検索する際「〇〇 最悪」「〇〇 詐欺」「〇〇 ブラック」といった、ネガティブなサジェストワードが表示される可能性もあり、多くのユーザーに悪いイメージを与えることになります。
炎上によって、株主やステークフォルダーとの関係性が悪化し、株を売却されたり、取引を中止されたりする可能性も高いです。
さらに、企業イメージが失墜することによって、離職率の向上や採用活動への悪影響も避けられません。
企業向け炎上対策6選
炎上を完全に防ぐことは不可能ですが、発生を抑制することは可能です。
企業向けの炎上対策を6つ紹介するので、ぜひ実践してみてください。
炎上対策1.投稿内容の二重・三重チェック
炎上を抑制するためには、企業のSNSアカウントによる投稿内容を、作成したスタッフ以外のスタッフが二重、三重のチェックを行える体制や仕組み作りが必須です。
1人のスタッフが書いた内容をそのまま投稿できる運用は、炎上リスクが高くなるので避けましょう。
二重・三重のチェックを行うためには、それなりの工数が必要になります。
そのため、企業向けのSNS投稿に特化した運用ソリューションを活用することによって、業務効率を上げて運用するのがおすすめです。
多くのベンダーからさまざまなITツールが提供されているので、自社の運用に合うものを探してみてはいかがでしょう。
炎上対策2.自社のソーシャルメディアポリシーを策定
SNSの取り扱いに関するソーシャルメディアポリシーを策定し、従業員の周知徹底させることも、炎上対策としては必須です。
社内から炎上の原因を発生させないためには、ルールや仕組み作りが不可欠であり、SNSを扱う従業員に周知徹底させることが不可欠だといえます。
ソーシャルメディアポリシーを策定する際には、少なくとも以下の内容についてルール化が必要です。
- 個人情報・プライバシーの保護
- 機密情報や知的所有権の保護
- 第三者における権利の尊重と保護
- 透明性の担保
- 誹謗中傷、センシティブな投稿の禁止
- 非難を受ける技術・サービスなどの利用を制限
- 自己責任範囲の明確化
- 第三者へ敬意を払う傾聴の姿勢
- SNS、WEB、デジタルツールなどへの理解
ソーシャルメディアポリシーは、企業のSNS担当者だけでなく、全従業員に対して周知しておく必要があります。
プライベートでSNSを利用する際にも、企業側へのリスクを考慮して行動してもらわなくてはいけないからです。
炎上対策3.SNS運用マニュアルの作成
SNSアカウントの運用ルール策定し、マニュアル化しておくことも、炎上対策には必須といえます。
SNSアカウントの取り扱い方法やチェックフロー、投稿時間・回数といった運用ルールを明確化し、前述したソーシャルメディアポリシーに則った形で投稿を行える体制の構築が必要です。
投稿時のテンプレートや禁則文字、表現などについてもルール化を徹底し、誰でも同クオリティの運用を実施できることが理想といえるでしょう。
炎上対策4.従業員教育の強化
ソーシャルメディアポリシーとSNS運用マニュアルが準備できたら、講習などを実施して従業員に周知する必要があります。
せっかくルールを決めても従業員が実践できなければ、炎上抑制にはつながりません。
従業員のネットリテラシーの強化や炎上リスクの理解度を高めるためには、外部講師の活用も効果的です。
社会的に必要なレベルを把握しやすいので、社内・社外講習を目的に応じて使いわけるとよいでしょう。
炎上対策5.ネット上のモニタリングを強化
炎上を抑制するためには、自社や商品、サービス、従業員に対するSNSやWEB上の評判に気を配る必要があります。
自社のエゴサーチやソーシャルリスニングを定期的に行い、炎上する可能性がある投稿やコンテンツを早期発見する体制の構築が、炎上対策として必須です。
しかし、人力でエゴサーチなどを行うと多くの工数がかかるため、あまりおすすめはできません。
ネット上の誹謗中傷投稿を監視するツールやサービスが多くのベンダーから提供されているので、可能であればそちらを利用するのがベターでしょう。
炎上対策6.炎上時の対応フローを構築
万が一炎上することも想定し、有事の際にどのようなフローで対処するのか、方針と方法を決めておくことも大切です。
炎上対応マニュアル作成やエスカレーションのフローを決めておくと、迅速かつ落ち着いて対応できるため被害の抑制につなげやすいでしょう。
また、炎上した際には、原因や対応策などの振り返りを行い、再発防止策を検討することも重要です。
マニュアルへ内容を追加することによって、今後の炎上抑制につなげられます。
万が一炎上が発生したときの対処法
炎上した場合には、以下のような施策を順次実施して対処しましょう。
- 事実状況の把握
- 炎上している投稿内容とURLを保存
- 投稿を削除し謝罪文も投稿
- 自社ホームページで事の次第を発表
- 原因となった投稿をしたユーザーの調査
- 誹謗中傷対策
- 炎上の再発防止策の検討と実施
炎上後の対策である誹謗中傷対策は、炎上した原因となる投稿を削除はできませんが、ユーザーの目に触れる機会を大幅に抑制する効果が期待できます。
そのため、炎上対策としては必須の対処法といえるでしょう。
なお、炎上対策については、以下の記事で詳しく解説しているので併せてご確認ください。
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炎上被害を抑制するためには、以下6つの炎上対策を実施することがおすすめです。
- 投稿内容のダブル・トリプルチェック
- 自社のソーシャルメディアポリシーを策定
- SNS運用マニュアルの作成
- 従業員教育の強化
- ネット上のモニタリングを強化
- 炎上時の対応フローを構築
また、炎上を100%回避する手段はないため、万が一に備えた対処法の準備も必要です。
本記事の内容を参考に、貴社の炎上対策の一助となれば何よりです。
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