最終更新日 2024.11.20
Google、Yahooなどの検索エンジンで自分の名前を検索すると、知らないサイトに名前や画像などの個人情報が表示されたという経験がある人も多いのではないでしょうか。
SNSの普及により、思いがけない形で自身の情報や画像が掲載されてしまうケースが増えています。放置しておくと炎上や風評被害につながるおそれもあるので、早期に対処する必要があります。
この記事では検索エンジンから自分の名前や画像を削除する方法を解説していきます。
表示される理由や表示されることによるリスクにも触れているので、ぜひ参考にして適切な対応を取ってください。
検索エンジンに自分の名前が表示される理由とは
検索エンジンは、検索されたキーワードに反応してAIが適したページを表示する仕組みです。
自身のSNSアカウントやメディアにおける何かしらの表彰歴などがあるとそのページが表示される場合があります。フルネームのSNSアカウントがある場合にも上位表示される可能性が高くなる点が特徴です。
喜ばしい内容であれば上位表示させたいと考える人も多いですが、知られたくない内容が理由なく表示される可能性があることに問題があります。自分の名前だけでなく、住所、電話番号などの個人情報が公開されるケースもあるため、注意が必要です。
他人によるSNS投稿など自身のコントロール下にない要因である場合も多く、悪口や誹謗中傷を含んでいる場合も。一度ネット上に流出した情報は完全に削除するのが難しく、炎上や風評被害のリスクも孕んでいるため、早期に対応する必要があります。
検索エンジンに自分の名前が表示されることのデメリット・リスク
検索エンジンに自分の名前が表示されることによるデメリットを解説していきます。
そのまま放置しておくと大きな被害につながるリスクがあることを理解しておきましょう。
プライバシーの侵害
検索エンジンに自分の名前が表示されることで、プライバシー侵害のおそれがあります。
名前だけでなく、住所や家族状況などの個人情報も含めて検索にヒットしてしまう場合もあり、詐欺や脅迫などの二次被害につながるおそれもあります。メディアなどのインタビューを受けた場合もそこで話した内容が不必要に拡散されてしまう場合も考えられます。
SNSの発達により、悪意を持って情報を拡散されたり、尾ひれのついたデマを流されたりするリスクもあるので、早期に対応しましょう。
信用の低下
事実とは異なる内容であったとしても、悪い書き込みなどが表示されてしまうと周囲からの信用が低下する原因になります。
炎上や風評被害に発展した場合は業務にも支障が出て、最悪の場合退職を余儀なくされるケースも考えられます。
転職・再就職の際にもSNSチェックを導入している企業が多く、悪い情報が採用担当者の目に入れば採用に悪影響が出る可能性もあります。
誹謗中傷の拡大
検索結果に表示されることで、誹謗中傷の標的にされやすくなります。SNSの匿名性の高さや集団心理が働き、気軽な気持ちで誹謗中傷が行われる場合があります。
精神的なダメージを負うだけでなく、個人情報の拡散などプライバシーの侵害とワンセットな誹謗中傷もあるため注意が必要です。
検索エンジンから自分の名前を消す方法
検索エンジンから自分の名前を消すには、主に「サイト管理者に削除を申請する」「検索エンジンに削除を申請する」の2つの方法があります。
まずは、情報が掲載されているウェブサイトの管理者に直接削除を依頼しましょう。掲載されている情報が名誉毀損やプライバシー侵害に該当する場合、削除依頼が通る可能性が高まります。連絡先が不明な場合は、Whois検索でドメイン登録者の情報を調べることも可能です。
サイト管理者への削除申請が認められない場合は、検索エンジン自体に削除申請を行いましょう。
Googleでは、個人情報や名誉毀損に関するコンテンツの削除リクエストを受け付けています。Yahoo!検索はGoogleと連動しているため、Googleでの削除が反映されます。また、Bingでは独自の削除申請が必要です。
これらの方法でも削除できない場合は、弁護士に依頼して法的手続きを進めるか、逆SEO対策を行って検索結果の順位を下げることも検討する必要があります。
自分の名前・情報が表示されていたらサイト管理者に削除を申請しよう
サイト管理者に削除を申請する方法について解説していきます。サイトに設置されているお問い合わせフォームから直接依頼しましょう。ただし、削除に応じてもらえないケースがあることや、削除されても検索エンジン上の表示が消えるまでにはタイムラグがあることは理解しておきましょう。
削除依頼するにあたって伝えるべき内容
サイト管理者に削除依頼を行う際には、明確かつ具体的な情報を提供することが重要です。
具体的には以下のような内容を含め、管理者が迅速に問題のページを特定できるようにしましょう。
- 自分の名前や情報が掲載されているページのURL
- 投稿された日時
- 削除してほしい箇所や内容
- 削除を申請する理由
これらの情報を整理し、丁寧な言葉で依頼を行う必要があります。スクリーンショットも取っておき、明確に不利益を被っていることを伝えられるとよいでしょう。
削除依頼が承認されやすいケース
削除依頼が承認されやすいケースには、いくつかの共通点があります。
まず、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する情報が含まれている場合です。これには、個人の住所や電話番号などの個人情報が無断で公開されているケースや、虚偽の情報によって名誉が傷つけられている場合が該当します。前科や病歴などを晒された場合もプライバシーの侵害に該当する可能性があります。
次に、法律に違反しているコンテンツの場合も削除が承認されやすいといえるでしょう。例えば、著作権侵害や誹謗中傷に該当する内容は、法的措置を取ることが可能であり、サイト管理者も迅速に対応することが期待されます。
さらに、経済的損失を被っている場合も考慮されます。営業妨害に繋がるような虚偽情報が掲載されている場合、ビジネスへの影響を理由に削除依頼を行うことで、承認される可能性が高まります。いずれのケースについても具体的な証拠を添えて依頼することが重要です。
削除依頼をする場合の注意点
自分に関する情報をインターネット上で見つけた場合、感情的で無計画な行動をするのはNGです。むやみやたらに削除依頼をするのも避けるべき行動です。
サイト管理者が悪意を持って情報を掲載している場合、何らかの恨みを持たれているケースも考えられます。直接やりとりをすることで相手を刺激し、悪質な投稿が激化するリスクも考える必要があるでしょう。
うっかり掲載してしまっている場合と悪意を持って掲載している場合の見極めが重要です。誹謗中傷を含む記事を掲載している場合は、弁護士に相談して対応を検討することもひとつの方法といえます。
サイト管理者の連絡先がわからない場合の対応
サイト管理者の連絡先が不明な場合、サーバーを特定してサーバー事業者経由で連絡を取る方法があります。ただし、知識が必要なので、専門の対策業者に相談しましょう。
Whoisというサイトでサーバーやメールアドレスを特定できる場合もありますが、個人情報保護のために代理の連絡先が表示されることもあるので注意が必要です。
次に、サイト内を詳しく調べることも有効です。ページ下部やサイトマップに連絡先が記載されている場合があります。
見つからない場合は、関連リンクや相互リンクページをチェックし、他の運営サイトから手がかりを探す方法もあります。メールフォームがなくてもSNSのリンクが掲載されている場合があるので、そこから連絡をとるのもひとつの手です。
サイト管理者への申請が難しい場合は検索エンジンに削除を申請しよう
サイト管理者への申請が難しい場合は、検索エンジンに削除を申請しましょう。
ここでは、主にGoogleに削除を申請する方法を解説します。削除申請にはコンテンツの削除依頼と個人情報の削除依頼の2種類があるので、それぞれご紹介します。
コンテンツの削除依頼
検索エンジンから自分の名前を消すために、コンテンツの削除依頼を行うことができます。
審査に通れば数日程度で検索結果に表示されなくなります。
ただし、コンテンツの削除依頼は、あくまで検索結果にコンテンツが出てこないようにする方法だということを理解しておきましょう。
Googleの検索結果に表示されるコンテンツを削除するだけなので、SNSなどの大元にコンテンツが残っている場合は根本的な解決にならない点には注意が必要です。
サイト管理者への削除申請と組み合わせて行うとよいでしょう。
Googleのコンテンツ削除依頼フォームはこちらです。
Google 上のコンテンツを報告 – Legal ヘルプ
個人情報の削除依頼
検索エンジンから個人情報を削除するには、個人情報の削除依頼を行いましょう。
まず、削除したい情報の具体的なURLを特定し、フォームに入力します。削除対象となる情報には、住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバー、銀行口座番号などが含まれます。
申請後、Googleはリクエストを審査し、公共の利益に反しないと判断された場合に削除が行われます。コンテンツ削除依頼フォームとは別に個人情報の削除依頼フォームが準備されているので、該当のフォームから申請しましょう。
画像削除専用のフォームも用意されている
画像削除専用のフォームも用意されています。Google画像検索で画像が出てくる場合は以下フォームから報告しましょう。
Google から画像を削除する – Google 検索 ヘルプ
表示された画像を右クリックして「リンクのアドレスをコピー」し、「削除をリクエスト」にコピーしたURLを貼り付けてリクエストしてください。
Yahoo!JAPANに削除を申請する方法
基本的にGoogleで削除されればYahoo!JAPANでも表示されなくなります。もしYahoo!JAPANで表示され続ける場合は、以下のURLから削除申請をしてください。
特定のウェブページを検索結果から削除 – インフォセンター – Yahoo!検索
削除申請に応じてもらえない場合の対応
サイト管理者や検索エンジンが削除申請に応じてくれない場合は別の方法を検討する必要があります。弁護士や専門業者に依頼して、別角度での対処を行いましょう。
弁護士に依頼
削除申請が通らない場合、弁護士に依頼することが有効です。
弁護士は法的な専門知識を活かし、サイト管理者に対して直接削除請求を行うことができます。特に名誉毀損やプライバシー侵害などの法的問題が絡む場合、証拠を揃えて強力に主張することが可能です。
また、裁判所に仮処分命令を申し立てることで、迅速な対応を求めることもできます。仮処分は、裁判の結果を待たずに一時的な措置として削除を命じるもので、緊急性が高い場合に適しています。
これらの法的手段を講じることで、削除の可能性を高めるとともに、被害の拡大を防ぐことができます。
専門業者に逆SEO対策を依頼
削除申請が難航する場合、専門業者に逆SEO対策を依頼することが有効です。逆SEOは、ネガティブな情報を含むサイトの検索順位を下げる施策で、専門業者が持つノウハウを活用することで効果的に行えます。
業者選びの際は、実績や提供サービスの内容を確認し、自社のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。
ただし、コンテンツ自体が削除されるわけではないので、粘り強くサイト管理者への削除依頼も並行して行うとよいでしょう。
自分の名前を検索するのは危険?
自分の名前を検索するエゴサーチを行ったことが、ほかの人にバレることは通常ありません。むしろエゴサーチを行うことで、炎上や誹謗中傷の火種をいち早く見つけることができます。
ただし、実際に誹謗中傷されていることが判明した場合、精神的なショックを受ける可能性があるので、バランスを取りながらうまく付き合う必要があります。
リスクをいち早く検知するためにオンライン評判管理対策を活用しよう
誹謗中傷のリスクをいち早く検知するためには、「オンライン評判管理対策」の活用がおすすめです。
「オンライン評判管理対策」では主に「ネガティブサイト対策サービス」「ネガティブキーワード対策サービス」「リスク検知ツール「Bench Mark」の3つの機能を使用し、Web上のリスクへの対策を行えます。
「ネガティブサイト対策サービス」は、GoogleやYahooなどの検索エンジンの上位に誹謗中傷サイトを表示させないサービスです。ユーザーが誹謗中傷が書き込まれているサイトを目にする機会を減らすことで、書き込みの拡散や炎上を未然に防止できます。
「ネガティブキーワード対策サービス」では、検索エンジンの入力補助や関連検索で自動的に表示されるキーワードの中に誹謗中傷キーワードが含まれていないかをチェック可能です。こちらも「ネガティブサイト対策サービス」同様、早期に発見することでユーザーがネガティブな情報を目にするのを防止します。
「リスク検知ツール『Bench Mark』」は、検索エンジンで表示される検索結果上の誹謗中傷サイトやキーワードを常時モニタリングし、新たに誹謗中傷サイトやキーワードが発生した場合にアラートを通知します。誹謗中傷の拡大を防げるだけでなく、問題の表示履歴が残るため、今後の対策を講じる手助けにもなります。