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ネットの誹謗中傷でもらえる慰謝料(賠償金)の相場はいくら?被害発生原因や対象となる罪、請求方法など解説

最終更新日 2024.10.7

「ネットの誹謗中傷による慰謝料の相場とは?」
「ネットによる誹謗中傷が発生する原因は?」
「ネットの誹謗中傷を行った加害者の特定方法とは?」

スマホが普及しSNSなどの利用者が増えたことにより、誹謗中傷の被害にあう企業も増加傾向です。
悪質な場合には、収益やブランドに大きな影響を与え、深刻な被害を受ける可能性もあるでしょう。

そのため、ネットによる誹謗中傷を行った加害者に対して、慰謝料を請求するケースも増えています。
しかし、実際に慰謝料を請求した場合、どの程度の金額になるのかについては、知らない方が多いかもしれません。

そこで今回は、ネットの誹謗中傷でもらえる慰謝料の相場や被害が発生する原因、対象となる罪、請求方法などについて解説します。

目次

そもそも誹謗中傷とは

誹謗中傷とは、虚偽の内容を根拠に、相手の悪口などを言いふらす行為です。
誹謗中傷は批判と、よく混同されます。
批判とは、相手の意見や主張などに対して反対や欠点を指摘することによって評価、判定する行為です。
しかし誹謗中傷は、加害者から一方的に発せられるものであるため、意見や主張などをベースにする批判とは、大きく異なるものだと言えるでしょう。

ネットによる誹謗中傷被害の状況

出典:法務省人権擁護局/令和3年における「人権侵犯事件」の状況について(概要)「インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件について」

近年、ネットによる誹謗中傷被害が増えています。
法務省人権擁護局が発表したデータによると、平成29年をピークに、インターネット上の人権侵犯事件が高い発生件数を維持している状況です。
プライバシーの侵害や名誉毀損による被害も一定数発生しており、今後も継続することが予想されます。

出典:警察庁/平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について【サイバー犯罪に関する相談件数の推移】

一方、警視庁の発表によると、近年は名誉毀損や誹謗中傷などの被害に関する相談数が増加傾向です。
ネットによる誹謗中傷被害は、すでに当たり前に起こる事件と言えるため、万が一の事態に備え対策を講じる必要があります。
しかし、ネットリテラシーの低い企業も散見されるため、どのような対策をしたらよいのかわからないケースも多く、根深い問題として蔓延る状況です。

ネットによる誹謗中傷が発生する3つの原因

ネットによる誹謗中傷の発生が増えた要因は、いくつか考えられます。
ここでは、代表的な原因を3つ確認しておきましょう。

原因1.匿名で投稿できる仕組み>

ネットによる誹謗中傷が発生しやすくなった原因の1つが、ユーザーに匿名で投稿できる仕組みを提供しているサービスが多いことです。

特にSNSは匿名で投稿できるものがほとんどであるため、誹謗中傷内容を含む投稿を行った場合でも、本人の素性はバレにくいという特徴があります。
そのため、ネットの誹謗中傷被害にあった場合でも、相手を特定するのは困難なケースが多いでしょう。

一方、ネット上のやり取りである性質上、加害者側も誹謗中傷する相手の状況をわからないため、必要以上に攻撃することもあります。
面と向かっては言えないことも、ネットでは躊躇なく言えてしまうためからです。
必要以上に相手を貶める内容の投稿をしやすくなっていることが、ネットの誹謗中傷被害を生む大きな原因だと言えるでしょう。

原因2.誤った正義感の高まり

「自分は正しいことをやっている」という一方的な正義感に後押しされ、攻撃的な発言をすることによって、誹謗中傷被害に発展するケースも多いです。
「悪いことをした人は罰せられて当然」という考えを持ち、必要以上に相手を攻撃するユーザーが、SNSや掲示板に散見されます。

例えば、企業の役員が脱税や不倫などを起こした際「素晴らしい企業だと思っていたのに失望した」「許せない」という個人的感情の高ぶりを抑えられず、執拗に対象となる人物を誹謗中傷するケースが挙げられます。
誤った正義感が高まった結果、誹謗中傷がエスカレートし、本人の素顔や自宅の住所、家族のプライベートをさらすなど、二次被害に発展することも多いです。

誤った正義感が高まったユーザーは「自分が正しい」という考えから、過ちを犯した相手は「何をされてもよい」「罰を受けて当然」という考え方をするケースが多く、行き過ぎた行為に及ぶ可能性が高くなります。

原因3.「みんなやっているから……」という集団心理

多くの人が誹謗中傷する姿を目撃することで「自分もやってよい」という意識が生まれ、罪の意識が希薄になることも、ネットによる誹謗中傷被害が生まれる原因です。

悪いことはわかっていても「赤信号みんなで渡れば怖くない」と同じ理屈で、つい自分も誹謗中傷コメントを投稿してしまうケースがあります。
大勢のユーザーが参加しているため、自信が責任を回避できるという集団心理が働くことにより、誹謗中傷に参加してしまう方も多いようです。

言い換えれば、ネットで誹謗中傷をしているユーザーの中には、罪の意識が低い方も多いと言えるでしょう。

ネットによる誹謗中傷に該当する可能性がある5つの罪とその責任

ネットによる誹謗中傷を行った加害者は、その内容に応じて民事・刑事の罪に問われる可能性があります。
ここでは、ネットの誹謗中傷が該当する可能性のある5つの罪とその責任について確認しておきましょう。

1.名誉毀損罪

名誉毀損罪とは、事実を公然と摘示したうえで、他人の名誉を毀損する罪です。
名誉毀損罪は、以下の条件を満たすことによって成立する可能性があります。

  • 公然性があること:SNSやネット掲示板など、不特定多数の人々に認識される状況であること
  • 事実を摘示すること:具体的な事実・行為をさらすこと
    「バカ」「アホ」など、抽象的な批判の場合、名誉毀損罪は成立しない
  • 他人の名誉を毀損していること:特定個人の名誉が毀損されていること
    どこの誰かがわからず相手を特定できない場合には、名誉毀損罪は成立しない

名誉毀損罪は事実の有無を問いません。
したがって、誹謗中傷の内容が事実かどうかは関係なく、罪が成立する点は特徴です。

名誉毀損罪が成立した場合、3年以下の懲役、禁固、又は50万円以下の罰金を支払う刑事責任が発生する場合はあります。
一方、民事の場合は、50万円以上の慰謝料を請求するケースも多いようです。

参考:e-Gov 法令検索/刑法(明治四十年法律第四十五号)230

2.侮辱罪

侮辱罪とは、相手を馬鹿にする、辱しめるといった行為により、他人の名誉を傷つける罪です。
侮辱罪は、以下の条件を満たすことによって成立する可能性があります。

  • 公然性があること:SNSやネット掲示板など、不特定多数の人々に内容が認識される状況であること
  • 特定の個人や法人が対象であること:個人だけでなく法人も対象
  • 侮辱にあたること:「バカ」「アホ」など、他人の人格を蔑視するような行為
  • 事実の摘示は不要:個人的な意見や憶測だった場合も対象

なお、侮辱罪はネット上の誹謗中傷被害が増えたことを背景に、厳罰化されました。
2022(令和4)年6月13日に改正刑法が成立しており、7月7日に施行されている状況です。

侮辱罪が成立すると、1年以下の懲役、もしくは金庫、30万円以下の罰金・拘留・科料の刑事材に問われる場合があります。
法改正前に発生した事案に対しては、軽いほうの罪が適用されるそうです。

一方、民事上の慰謝料についても、刑事のときに比べ安価になる傾向があります。

参考:e-Gov 法令検索/刑法(明治四十年法律第四十五号)231条

3.脅迫罪

脅迫罪とは、第三者の生命や身体、自由、名誉、財産に対して危害を加える行為を行った結果、問われる罪です。
なお脅迫の対象となるのは、被害者だけではなく、その親族も含まれます。
したがって、友人や恋人は含まれません。

以下いずれかの害悪告知を行った場合、脅迫罪が成立する可能性はあります。

  • 生命への害悪告知:「殺す」などの殺害予告
  • 財産への害悪告知:「財産を奪う」などの窃盗予告
  • 名誉への害悪告知:「秘密をばらす」などの脅迫
  • 自由への害悪告知:「家族をさらう」などの犯罪予告
  • 身体への害悪告知:「ボコボコにしてやる」などの犯罪予告

脅迫罪が成立すると、加害者には2年以下の懲役、又は30万円以下の罰金が、刑事罪として問われます。
また、民事では慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。

参考:e-Gov 法令検索/刑法(明治四十年法律第四十五号)222条

4.信用毀損罪・業務妨害罪

信用毀損罪とは、事実無根の誹謗中傷などによって、他人の名誉を毀損する罪です。
また業務妨害罪とは、ネット上の誹謗中傷行為によって業務を妨害したときに成立する罪です。

信用毀損罪、及び業務妨害罪は、以下の条件を満たすことによって成立する可能性があります。

  • 事実無根の情報であること:事実の場合、信用毀損罪には該当しない
  • 虚偽の情報であることを認識したうえで発信すること:事実無根であることを加害者が知らなかった場合は、罪が成立しない
  • 経済的信用を下げる可能性がある:虚偽の情報を発信したことが原因で、被害者の経済的信用が下がる可能性がある場合は、信用毀損罪が成立する

例えば「〇〇の食材に怪しい材料が使われているらしい」といった情報を、SNSなどで投稿した結果、買い控えなどのムーブメントに発展した場合は、信用毀損罪や業務妨害罪が成立する可能性は高いでしょう。

信用毀損罪や業務妨害罪が成立した場合、3年以下の懲役、又は50万円以下の罰金が、刑事罪として問われる可能性はあります。
一方、民事においては、上記よりも軽い罪になることが多いようです。

参考:e-Gov 法令検索/刑法(明治四十年法律第四十五号)

5.プライバシーの侵害

プライバシーの侵害とは、日本国憲法13条に定められている基本的人権を毀損する罪です。
したがって「プライバシーの侵害」という罪が明確に定められているわけではありません。
そのため、時代背景などによって、プライバシーの侵害に対する解釈が変わる可能性はあるでしょう。

なお、日本国憲法においては、以下の基本的人権が保障されると規定されています。

〔個人の尊重と公共の福祉〕
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

出典:衆議院/日本国憲法

プライバシーの侵害が成立する可能性のある条件は、以下の通りです。

  • 私生活上の事実であること:事実だと受け取られる可能性があるものも含まれる
  • 過去に公開されたことがない事実であること:既知の内容は対象外
  • 事実の公表によって被害者が不快に感じること:被害者が意に介さない場合は、罪に問われない

例えば、ネット上で第三者の住所、氏名や年収などが公表され、当人が不快に思えば、プライバシーの侵害にあたる可能性が高いでしょう。

プライバシーの侵害については、刑法で罰するための規定が存在しません。
名誉毀損や肖像権の侵害に抵触する場合に、罰せられる可能性があります。

一方、民事においては、不法行為による損害賠償として、慰謝料を請求や誹謗中傷投稿の取り下げなどを要求することが可能です。

(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

出典:e-Gov 法令検索/明治二十九年法律第八十九号 民法

ネットの誹謗中傷を行った加害者が支払う慰謝料の相場

加害者に慰謝料を請求する場合、どの程度が妥当な金額になるのでしょうか。
ここでは、ネットによる誹謗中傷を行った加害者が支払う慰謝料の相場について解説します。

名誉毀損罪による慰謝料の相場

事業者に対するネットによる誹謗中傷を行った結果、名誉毀損罪に問われた場合、加害者が支払う慰謝料の相場は50~100万円程度です。
ただし、誹謗中傷被害の大きさや、従業員数、事業規模によっては、さらに慰謝料が高額になる可能性もあるでしょう。

侮辱罪による慰謝料の相場

事業者に対して、ネットで誹謗中傷を行った場合、慰謝料は数千円~10万円程度が相場と言われています。
侮辱罪の慰謝料は、請求できた場合でも非常に安いため、費用対効果にあう報酬とは言えません。
そのため、慰謝料目的で相手と交渉するよりは、誹謗中傷被害の抑制に注力するほうが得策と言えるでしょう。

脅迫罪による慰謝料の相場

事業者に対してネットによる誹謗中傷を行った結果、脅迫罪が成立した場合、加害者が支払うべき慰謝料は、単発であれば数万円~100万円以下が相場です。
ただし、悪質な場合や継続的に行われた場合は、200~300万円程度になることもあります。

脅迫罪における裁判で、慰謝料について争った案件は多くないそうで、今後の動向によっては相場も変化する可能性はあるかもしれません。

信用毀損罪・業務妨害罪による慰謝料の相場

ネットによる誹謗中傷によって、信用毀損罪・業務妨害罪が成立した場合、慰謝料の相場は10万円〜数百万円以上と言われています。
価格の幅が、非常に広い点が特徴です。

慰謝料の金額の大小は、おもに事業に与えた損失の大きさに比例します。
ネットの誹謗中傷が、売上を大幅に下げた要因である因果関係が明確になれば、より多くの慰謝料を請求できる可能性が高いでしょう。

プライバシーの侵害による慰謝料の相場

ネットの誹謗中傷によりプライバシーの侵害が成立した場合、慰謝料の相場は10~50万円程度です。
一般的に、プライバシーの侵害では、それほど多くの慰謝料を請求できないものと思っておいたほうがよいでしょう。
しかし、ヌード画像の流出など悪質な場合には、100万円以上の慰謝料が支払われるケースもあります。

ネットの誹謗中傷を行った加害者の特定方法

ネットの誹謗中傷を行った相手に慰謝料を請求する場合には、加害者を特定できていることが前提です。
しかし、匿名性のSNSやネット掲示板では、誹謗中傷を行ったユーザーがどこの誰かを特定することは困難でしょう。
ここでは、ネットの誹謗中傷を行った加害者の特定方法を紹介します。

DMなどで直接連絡

ネットの誹謗中傷を行った相手を特定する1つ目の方法は、DMなどを活用して直接連絡を取る方法です。

SNSやネット掲示板で誹謗中傷が行われた場合には、問題となる投稿を行ったユーザーの特定は比較的簡単に行えると思います。
ユーザーに直接連絡できる機能や、連絡先が記載されている場合には、そこから直接連絡して、問題となる投稿の削除や慰謝料の請求を行うことが可能です。

DMなどで直接連絡するメリットは、弁護士などに依頼する必要がないため、費用は発生しない点が挙げられます。
また、相手が要求に応じてくれれば、スムーズに誹謗中傷被害の抑制や慰謝料の請求につなげやすいでしょう。

ただし、誹謗中傷を行った加害者を特定できないケースが多いことや、特定できた場合でも、相手にしてもらえない可能性が高い点はデメリットだと言えます。
そのため、この方法で加害者を特定できなかった場合には、弁護士への依頼を視野に入れなくてはいけません。

サービス運営会社に発信者情報開示請求を実施

加害者の特定が難しい場合には、サービスの運営会社に発信者情報開示請求を実施する必要があります。
発信者情報開示請求とは、裁判所を介してサービスの運営会社を仮処分にすることによって、ユーザーのIPアドレスを開示してもらう手続きです。
発信者情報開示請求は、弁護士に依頼する必要があります。

発信者情報開示請求を行うことで、加害者のIPアドレスを入手できれば、プロバイダを特定することが可能です。
ただし、発信者情報の開示請求を行うためには、弁護士報酬が発生することや、ユーザーの情報を開示してもらうまでに数か月の時間を要する点はデメリットだと言えます。

プロバイダに発信者情報開示請求を実施

プロバイダに対して、発信者情報開示請求を行うことによって、加害者を特定できる場合があります。
手続きの流れは、サービスの運営会社に対して実施する場合と同じで、こちらも弁護士への依頼が必要です。

プロバイダに発信者情報開示請求を行うことで、加害者の住所・氏名などを特定できれば、直接連絡できるようになるため、慰謝料を請求できます。
しかし、多くの時間と費用が発生することに加え、手続きを行っている期間中に、さらに誹謗中傷による被害が大きくなる可能性もある点はデメリットです。

プロバイダ責任制限法改正による影響

近年、ネットの誹謗中傷被害が増えたことを背景に、被害を抑制するため、2022年10月1日にプロバイダ責任制限法が改正されました。
どのような影響があるのか、ここで確認しておきましょう。

2度の発信者情報開示請求を一括で手続きできる

プロバイダ責任制限法の改正により、前述した発信者情報開示請求に関する2つの裁判手続を、非訟手続(裁判所が後見人的な立場からサポートし、非公開で進められる手続き)で1度に実施できるようになりました。
つまり、サービスの運営会社とプロバイダへ、同時に発信者情報開示請求が行えるため、手続きにかかる期間が大幅に圧縮されます。

したがって、ネットの誹謗中傷を行った加害者の特定が、以前より短い期間で行えるようになりました。

ログイン時のIPアドレスを開示請求できる

プロバイダ責任制限法の改正によって、ログイン時のIPアドレスを開示請求できるようになりました。
旧来のプロバイダ責任制限法においては、プロバイダ側にログイン時のIPアドレスを開示することが義務付けられていませんでした。
そのため、発信者情報開示請求を行った場合でも、加害者の特定に結び付かないケースも多かったようです。

しかし、今回の改正により、ログイン時のIPアドレスは「特定発信者情報」と明文化されました。
その結果、プロバイダ側にログイン時のIPアドレスを開示する義務が発生したため、加害者を特定できる可能性が高くなっています。

加害者が情報開示に応じない理由を開示してもらえる

プロバイダ責任制限法の改正によって、加害者が情報開示に応じない理由を確認できるようになりました。
プロバイダには、投稿の発信者に対して、個人情報を開示してよいかどうかの意見照会を実施する義務があります。

加害者が情報の開示に応じない場合には、プロバイダ側に理由を確認することが義務付けられました。
個人情報を開示したがらない理由を把握することによって、より適切な対応が行えるようになるでしょう。

参考:総務省/インターネット上の違法・有害情報に対する対応(プロバイダ責任制限法)

ネットの誹謗中傷を行った加害者へ慰謝料を請求する方法

ネットの誹謗中傷を行った加害者を特定できた場合、慰謝料を請求する手続きを行います。
また、被害が甚大な場合や悪質な内容だった場合には、刑事告訴を行うこともあるでしょう。
それぞれの実施方法について解説します。

損害賠償請求

ネットで誹謗中傷を行った加害者に対して、慰謝料を請求する場合には、損害賠償請求の手続きを行う必要があります。

損害賠償請求を行う際には、まず問題となる投稿や記事の内容が、何らかの罪に抵触しているのかどうかを客観的に判断しなくてはいけません、
そのためには、対象となる投稿や記事が掲載されているWEBサイトのURLを取得することが必須です。

また、URLがわからない場合や、問題となる記事や投稿が消される可能性も踏まえ、スクリーンショットなどで画像として保存しておくことも、損害賠償請求を行う場合は確実に行っておきたいところでしょう。

次に、発信者情報開示請求で得た加害者の住所に対して、内容証明郵便で損害賠償請求書を送付します。
その後、加害者と示談交渉を進め、慰謝料の金額などについて協議を行う流れです。

示談が成立した場合は、示談書を作成します。
このとき、今後さらなる誹謗中傷を行わないことを要求する、再発防止条項を含めることが一般的です。

刑事告訴

損害賠償請求を実施した結果、加害者が応じない、慰謝料の額に不満がある場合などには、刑事告訴を視野に入れる必要があります。
ネットで誹謗中傷を行った加害者を刑事告訴するためには、警察への被害届(警察に被害状況を報告するための書類)の提出が必要です。

また、告訴状(事件の加害者を刑事罰に処するために必要な書類)も同時に提出することによって、警察が動いてくれやすくなります。
告訴状に証拠を添付することで、事件性の証明がしやすくなるため、事前に必ず準備しておきましょう。
弁護士に相談して、被害状況をできるだけ正確に記すことも大切なポイントです。

警察に書類を提出後、事件性があると判断された場合には、加害者が逮捕されます。
検察側の判断によって、勾留の延長、又は刑事裁判の実施になるのかが判断されるため、指示に従いましょう。

ただし、刑事告訴を実施した場合には、加害者へ慰謝料の請求はできなくなるため注意が必要です。
慰謝料を請求したい場合は、示談交渉を行う必要があります。
なお示談交渉は、相手の罪を軽減する代わりに金銭を受理する交渉である性質を持つことを肝に銘じておかなくてはいけません。

一方、誹謗中傷には、時効がある点にも注意が必要です。
誹謗中傷被害の控訴ができる期間は、問題となる投稿や記事が公表された日から、3年以内と規定されています。
3年以上放置すると時効になるため、刑事告訴したい場合は、早めに対処しましょう。

誹謗中傷被害で警察が動いてくれない件については、以下の記事でも詳しく紹介しています。あわせてご確認ください。

https://effectual.co.jp/sorila/blog/slander-police-dontmove/

ネットによる誹謗中傷の慰謝料請求は工数とコストが甚大

今回ご紹介した通り、ネットの誹謗中傷被害を受け、加害者から慰謝料を得られたとしても、微々たるものです。
弁護士に依頼して裁判などを実施しても、費用対効果にあうとは言い難いでしょう。
したがって、金銭目的での実施はおすすめできません。

また、加害者との交渉や裁判を行っている間に、誹謗中傷による被害が増大する可能性もあります。
そのため、ネットによる誹謗中傷被害を抑制する対策も、同時並行で行うことが大切です。

エフェクチュアルの「オンライン評判管理対策」は、法律では解決できない誹謗中傷被害をWEBリスクのコンサルタントが解決するサービスです。
具体的には、以下3つのサービスを活用することによって、ネットによる誹謗中傷被害を抑制することが可能です。

  • ネガティブサイト対策サービス
  • ネガティブキーワード対策サービス
  • リスク検知ツール「WEBリスククラウド」

ネガティブサイト対策サービス

ネガティブサイト対策サービスとは、検索エンジンにおける入力補助・関連検索の誹謗中傷キーワードや、検索結果上の誹謗中傷サイト対策サービスです。
企業の情報発信力を高めることによって、GoogleやYahoo!における誹謗中傷サイトの上位表示を抑制することが可能です。

誹謗中傷サイトの検索順位を10位以下に落とすことによって、ユーザーが閲覧する機会を大幅に減らせるため、ネットの誹謗中傷被害によるリスクを抑制できるでしょう。

ネガティブキーワード対策サービス

ネガティブキーワード対策サービスとは、検索エンジンの入力補助・関連検索に表示される誹謗中傷キーワードを対策するものです。
当社モニタリングシステムが、誹謗中傷キーワードを早期に発見し、迅速に対策が打てるようになります。
ネットの誹謗中傷が原因である、いわゆる「サジェスト汚染」の抑制にも効果的です。

リスク検知ツール「WEBリスククラウド」

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誹謗中傷の表示履歴も記録されるため、対策状況を見える化することが可能です。

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