SNSは企業のマーケティングやブランディングにおいて強力なツールですが、一方でその拡散力の高さゆえ危険性やデメリットも抱えています。炎上、情報漏洩などのリスクがあり、信用を大きく損なう可能性があるため、適切な運用が必要です。
この記事では、SNSに潜む危険性を詳しく解説し、企業がリスクを未然に防ぐためのセキュリティ対策について紹介します。
SNSを安全に運用し、企業におけるマーケティングを促進させましょう。
なお、SNSにおける誹謗中傷の拡散の兆しや炎上の火種をいち早く見つけて対策を打ちたい方は、WEB監視ツールをご利用ください。
企業でSNSを運用するリスクと危険性

SNSには多くのメリットがある一方で、危険性やデメリットも存在します。
SNSの運用には以下のようなメリットがあります。
- 低コストでプロモーションできる
- ブランディングの強化に役立てられる
- 売り上げアップが見込める
- ユーザーのニーズやトレンドなどの情報収集に使える
アカウントの開設は基本的には無料のため低コストで運用でき、SNSを通してユーザーとの接点を増やすことで、認知拡大やニーズの収集などに活用することができます。
一方で、主なデメリットは以下のようなものが挙げられます。
SNSに潜む危険性やデメリット
- 炎上リスクがある
- 運用担当者の業務を圧迫する
- マルウェアに感染し、拡散するリスクがある
- 情報漏洩リスクがある
- 乗っ取りやなりすましのリスクがある
SNS運用のリスクやデメリットについて以下で詳しく紹介します。
炎上リスクがある
SNSは情報の拡散力が強く、炎上リスクを孕んでいる点には注意が必要です。
投稿が意図せず誤解を招くと、制御できないスピードで炎上に発展するリスクがあります。言葉の選び方や情報の誤解が原因となることが多く、炎上してしまうと企業の信用を大きく損ないます。炎上鎮火の対応に追われるため、通常業務にも支障をきたす場合もあるでしょう。
一度炎上してしまうとデジタルタトゥーとして半永久的に残り、売上などに永続的に悪影響を及ぼす場合も珍しくありません。
また、いわれのない誹謗中傷やカスハラの標的にされる場合もあり、悪意を持って炎上させられるケースにも対策が必要です。
SNSの炎上発生事例
大手飲料メーカーの人気商品のSNSキャンペーンで、女性を4つのタイプに分け、それぞれが人気商品の異なるラインナップを持っているイラストが公開されました。イラストには、「太っていないのに太ったと言い続ける」「少し風が吹くと鏡でヘアメイクチェックをする」など、女性に対する細かな特徴が描かれており、これが消費者の不快感を呼び起こしました。
これに対し、SNSでは「女性を侮辱している」といった批判が多く寄せられ、炎上が広がりました。大手飲料メーカーはその後、謝罪を発表し、投稿を削除しました。
SNS炎上リスク回避の対策方法
SNS炎上リスク回避の対策方法として以下の2つを紹介します。
- 「ソーシャルメディアガイドライン」の策定と運用
- SNSモニタリング体制を整備する
「ソーシャルメディアガイドライン」の策定と運用
SNSでの炎上を防ぐためには、ソーシャルメディアガイドラインの整備が効果的です。ソーシャルメディアガイドラインは、企業の信頼性やブランド価値を守りながら、適切なSNS活用を行うためのルールや方針をまとめたものです。ガイドラインには、トラブルの予防やリスク管理、そして万が一炎上が起こった場合の対応手順などが盛り込まれます。
作成にあたっては、まず社内でのSNS利用状況を確認し、目的を明確にすることが大切です。潜在的な課題を洗い出し、必要なルールを具体的に設計していきましょう。
次に、ガイドラインに盛り込むべき項目を整理します。たとえば、SNS活用の基本姿勢、投稿ルール、コンプライアンスや著作権への配慮、パスワード管理やアカウント権限、他アカウントとの適切な関わり方、炎上時の社内連携や公式対応の指針などがあります。
ガイドラインが完成したら、全社員に向けて周知し、共通認識として定着させることが、実効性を高めるうえで欠かせません。
SNSモニタリング体制を整備する
SNSをモニタリングする体制の構築も重要です。例えば、炎上リスクを軽減する手段の一つとして、「ソーシャルリスニング」の活用があります。ソーシャルリスニングは、SNSやブログ、掲示板、レビューサイトなどに投稿されたユーザーの声を収集・分析するマーケティング手法で、消費者の本音をつかむのに役立ちます。炎上の兆しを早期に察知できるため、企業のリスク管理策として多く導入されています。
ただし、すべてを手作業で確認するのは非効率で、見落としのリスクもあります。そのため、専用のリスニングツールを導入することで、投稿の収集・分析を自動化し、より正確かつ迅速な対応が可能になります。
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情報漏洩リスクがある
情報漏洩リスクも無視できません。
企業の公式アカウントだけでなく、社員が個人アカウントで業務内容などを投稿することで意図せず機密情報が漏洩するケースもあります。特に個人情報や顧客情報などを漏らしてしまうと信用の失墜につながります。
重大なケースでは、行政処分や刑事罰が科されたり、損害賠償を請求されたりする可能性もあります。
情報漏洩の発生事例
ある市役所で勤務する職員が、自身のSNSに投稿した写真に機密情報が映り込んでおり問題となりました。職員が固定資産税に関する事務作業中、自身のデスクに置かれた飲料などをスマートフォンで撮影し、SNSに投稿したしたところ、その写真の中に、申告書類の一部が映り込んでおり、企業名や資産取得価格の一部といった機密情報が映り込んでいました。
この件は、市に届いた匿名の指摘メールによって発覚したため、市はすぐに該当情報を削除し、関係する企業に対して謝罪を行いました。市側は「公務員としての自覚を欠いていた行為」として、情報管理体制の見直しと再発防止に向けた対策の徹底を進める方針を示しています。
情報漏洩の対策方法
情報漏洩の対策方法として以下の3つを紹介します。
・適切なプライバシー対策
・定期的な情報セキュリティ教育の実施
・社内規定の策定
適切なプライバシー対策
企業は、個人情報や機密データの漏えいを防ぐために、適切な対策を講じる必要があります。まず重要なのは、SNSにおけるプライバシー設定の見直しです。公開範囲の設定、共有先の選定、二段階認証の導入や、パスワードの定期的な変更も効果的です。
定期的な情報セキュリティ教育の実施
従業員一人ひとりが情報漏えいのリスクを理解することが欠かせません。過去の漏えい事例を取り上げた社内研修や、定期的なセキュリティ教育を通じて、当事者意識を醸成していくことが求められます。
社内規定の策定
社内で取り扱う情報に関するルールを整備することも有効です。顧客データはもちろん、個人を特定できる写真や動画なども含め、具体的な取り扱い基準を設け、それを社内でしっかりと共有し、必要に応じて見直しや更新も行いましょう。
乗っ取りやなりすましのリスクがある
企業のSNSアカウントが乗っ取られ、なりすまし行為が行われることも身近なリスクといえます。
詐欺目的の模倣アカウントなどにも注意が必要です。意図せぬ投稿によって炎上を引き起こされるだけでなく、フォロワーにも被害が及ぶ可能性があります。
乗っ取りやなりすまし発生の事例
ある会社のInstagram公式アカウントが第三者に乗っ取られる被害が発生しました。乗っ取り後、アカウントの管理情報が無効化されたことで、社内からのアクセスが不可能となり、最終的にはアカウント自体が削除されるという深刻な事態に至りました。
原因としては、Instagram運営を装った偽の公式連絡メールに、担当者が誤って対応してしまったことが発端と考えられています。このフィッシングメールによってログイン情報などが流出した可能性が高いとされています。
被害を受けた会社は、過去にSNSのダイレクトメッセージ機能でやり取りのあったユーザーに対して個別に注意喚起を実施し、なりすましによる連絡や、不審なリンクが送られてきた場合は、リンクを開かず削除するよう呼びかけました。併せて、SNS運用体制の見直しや個人情報の管理強化など、再発防止に向けた取り組みを進めています。
乗っ取りやなりすまし発生の対策方法
乗っ取りやなりすまし発生の対策方法として以下の4つを紹介します。
- 安全性の高いパスワード設定
- 2段階認証の導入
- 不審なメールやリンクを開かない
- セキュリティ対策ソフトの導入
安全性の高いパスワード設定
アカウントの不正利用を防ぐためには、強固なパスワードの設定が効果的です。特に注意すべきは、以下のような簡単に推測されやすいパスワードの使用です。
- 自分や家族の名前
- 生年月日
- 短い文字数のパスワード
- IDと同一のパスワード
- 「123」や「aaaa」など単純な繰り返しやパターン化された文字列
安全性を高めるには、複数の要素を組み合わせるのが有効です。たとえば、数字・英字の大小・記号を混ぜることで解読されにくくなります。
- 数字+小文字+大文字 → 49tzXePR
- 大文字+記号+数字 → QW!#2839
- 小文字+数字+記号 → mf72#&lg
さらに、パスワードは定期的に見直し・変更することで、セキュリティを一層強化できます。
2段階認証の導入
セキュリティを強化する手段のひとつに「2段階認証」があります。これは、ログイン時に異なる種類の認証要素を組み合わせて本人確認を行う仕組みです。
- 多要素認証では、以下のような要素が使われます。
- 知識情報:ユーザー本人しか知らない情報(例:パスワード、秘密の質問など)
- 所持情報:本人が所有している物を使う認証(例:スマートフォン、ICカード、ワンタイムパスワードなど)
- 生体情報:個人の身体的特徴を利用(例:指紋認証、顔認証、音声や虹彩など)
これらを組み合わせることで、万が一パスワードが漏れても不正アクセスを防ぐことができ、セキュリティレベルを大きく高められます。
不審なメールやリンクを開かない
アカウントの乗っ取りを防ぐためには、不用意にメール内のリンクや添付ファイルを開かないことが重要です。誤って開いてしまうと、偽のログイン画面に誘導されて情報を盗まれる「フィッシング詐欺」に巻き込まれる可能性があります。不審なメールや見慣れないURLは開かず、速やかに削除するのが基本です。
また、差出人が一見信頼できそうに見えても、偽装されていることがあるため、内容や送信元の正当性を冷静に確認する姿勢が求められます。
セキュリティ対策ソフトの導入
不審なメールや悪質なWebサイトへのアクセスを防ぐには、セキュリティソフトの導入が有効です。これにより、危険なコンテンツを自動的に検知・ブロックすることが可能になります。また、ウイルスやマルウェアを早期に発見するためにも、定期的なスキャンの実施を心がけましょう。
SNSによるトラブル、危険を未然に防ぐなら専門家への依頼、専用ツールの使用も有効

SNSの運用には専門家の知識が必要です。専門家に依頼することで、最新のトレンドやリスクを把握し、適切な運用戦略を立てることが可能です。
また、専用ツールを使用することで、投稿のモニタリングや分析が効率的に行えます。これにより、トラブルの早期発見と迅速な対応が可能となり、企業のリスクを最小限に抑えることができます。
SNSのトラブル、被害を未然に防ぐためにミマモルンの活用がおすすめ
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また、毎月リスク状況や企業の評判ステータス分析レポートなどを取得でき、詳細な数値を元に定量的な対策に役立てられる点が魅力です。リスクを発見したときに具体的にどのような対策を講じるべきかわからない場合も解決コンサルティングを受けられるので、対応に迷いません。
月々5万円からと低コストで利用できるので、本格的にSNS運用に取り組みたい場合は、導入を検討しましょう。