最終更新日 2024.10.7
「逆SEOと弁護士ができる誹謗中傷対策の違いとは?」
「逆SEOと弁護士ができること・できないこととは?」
「逆SEOと弁護士のどちらに依頼するべきか?」
SNSやWebサイトには、自社の商品やサービスに関する事実無根の誹謗中傷が書かれた投稿やコンテンツが掲載される場合もあります。その内容が事実でない場合でも、放置してしまうと企業にとって大きなダメージにつながる可能性があるため、早めに対処しなくてはいけません。
誹謗中傷対策として考えられる主な方法は、「逆SEO」と「弁護士への依頼」の2種類です。しかし、両者にはそれぞれ対応できること・できないことがあるため、自社の課題に合った方法を選択することが大切です。
そこで今回は、逆SEOと弁護士ができる誹謗中傷対策の違いについて解説します。
逆SEOとは
逆SEOとは、Googleなど検索エンジンの順位を下げる施策の総称です。通常のSEOは検索結果の上位表示を目指すものですが、逆SEOはまったく逆の施策といえます。そのため、逆SEOはリバースSEOやネガティブSEOとも呼ばれる点が特徴です。
逆SEOを実施することによって、誹謗中傷・風評被害を抑制する効果が期待できます。逆SEOは社内でも実施できますが、SEOの知識やスキルが必要なため、専門の業者に依頼するケースが多いでしょう。
なお、逆SEOについては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご確認ください。
https://effectual.co.jp/sorila/blog/reverse-seo-emeasures/
逆SEOで実施できること
逆SEOで実施する施策には、多くの種類があります。本章では、専門の業者がよく実施する、逆SEO施策の代表例を確認しておきましょう。
良質なコンテンツの作成
ユーザーにとって有用なコンテンツを作成することは、逆SEO対策につながります。良質なコンテンツを展開しているWebサイトは、Googleに「ユーザーにとって有用である」と評価されるため、検索順位にポジティブな影響を与えるためです。
自社のWebサイトがネガティブなコンテンツや投稿を掲載しているWebサイトよりも、上位に表示されることによって、ユーザーに見られる機会が減ります。その結果、対象サイトへの逆SEO対策につながるでしょう。
良質な被リンクの増加
自社のコンテンツと関連性の高い内容のコンテンツを掲載しているWebサイトからのリンクを増やすことも、逆SEO施策の定番です。良質な被リンクが増えることは、自社サイトが高評価であることの証といえるため、逆SEOの中でも重要な施策だといえます。
ただし、外部企業から購入したリンクなど、自社のコンテンツと関連性が薄く、被リンクを増やすことだけを目的にしたリンクは、良質だとGoogleに評価されません。逆にGoogleからペナルティを受ける可能性があるので、こうした被リンクを増やすことは避けましょう。
参考:Google検索セントラル/ウェブマスター向けガイドライン
参考:Google/Google が掲げる 10 の事実
SNSの運用代行
TwitterやFacebook、InstagramといったSNSアカウントの運用を、専門家に実施してもらうことも定番の逆SEO施策です。自社や商品、サービスにとってポジティブな情報を定期的に発信することによって、自社サイトの検索順位向上はもちろん、フォロワー数の増加が期待できます。
また昨今は、従業員によるSNSの投稿内容が原因で、炎上につながるケースも多いです。そのため、プロに運用を任せることによって、炎上リスクを抑制し、結果として誹謗中傷対策にもつながるでしょう。
外部サイトでコンテンツ作成
Google評価の高い外部サイトに自社情報を掲載することで、外部サイトのページを上位表示させ、結果として対象サイトの押し下げができます。
自社にとって有益な情報の発信にも繋がり、ブランディング効果も期待できます。
逆SEO業者がやってはいけないこと
逆SEOの施策の中には、専門の業者が実施してはいけないものがあります。特に以下2つの施策は、逆SEO業者がやってはいけないものの代表といえるでしょう。
非弁行為
弁護士しか実施できない行為を一般企業が行うことは、「非弁行為」と呼ばれ、逆SEO業者が実施することはできません。例えば、誹謗中傷コンテンツの削除依頼や発信者情報開示請求といった手続きを、逆SEO業者が代行することは法的に禁じられています。
したがって逆SEO業者が、誹謗中傷コンテンツの削除依頼や発信者情報開示請求などの対応を実施することを提案してきた場合には、弁護士に依頼して実施するかどうかを必ず確認しておきましょう。
著作権・Googleのガイドラインなどに抵触する施策の実施
逆SEO施策の中には、著作権やGoogleのガイドラインに抵触するものがあります。そのため、グレー&ブラックな絶対に実施してはいけない逆SEO施策を実施することによって、自社が法的に罰せられたり、Googleからペナルティを受けたりする可能性が高いでしょう。
例えば、他社サイトのコンテンツをコピー&ペーストして、自社サイトに無断掲載すると、著作権に抵触します。また、Googleのガイドラインにおいても、コピーコンテンツは固く禁じられており、ペナルティ対象になる可能性が高いです。
よって、こうした施策を提案する逆SEO業者への依頼は、絶対に避けましょう。
参考:Googleグループ ヘルプ/Google グループのコンテンツ ポリシー
弁護士に依頼できる誹謗中傷対策とは
弁護士に依頼できるおもな誹謗中傷対策は、ネガティブコンテンツを掲載した相手の特定や、削除依頼を実施することです。そのため、スムーズに手続きが進めば、誹謗中傷の原因そのものを消し去ることが可能でしょう。
誹謗中傷コンテンツや投稿の削除依頼
弁護士は、誹謗中傷コンテンツや投稿が掲載されているサイトの運営会社に、削除依頼を要請できます。交渉の結果によっては、対象コンテンツを削除できるので、誹謗中傷の原因を取り除ける可能性がある点は、大きなメリットだといえるでしょう。
ただし、Webサイトや掲示板の運営会社が、削除依頼に必ず応じてくれるわけではありません。そのため、交渉が決裂する可能性もあることを、念頭に置く必要があります。
発信者情報開示請求の実施
弁護士に依頼することで、誹謗中傷コメントや投稿を行ったユーザーの身元を特定するために、サイトの運営会社やプロバイダに発信者情報開示請求を実施することが可能です。Webサイトや掲示板はユーザーが匿名である場合も多く、運営会社でも名前や住所などを把握していないことも珍しくありません。
そのため、運営会社がユーザーの個人情報を持ちえない場合には、プロバイダに依頼して発信者情報開示請求を行います。プロバイダにユーザーのIPアドレスを開示してもらえれば、ネガティブコンテンツの投稿者を特定しやすくなるでしょう。
投稿者への損害賠償請求
発信者情報開示請求によって誹謗中傷コンテンツの投稿者を特定できた場合、損害賠償の請求ができます。誹謗中傷の内容が悪質で、企業側に大きな被害が生じた場合は、相手側に損害賠償を請求することも視野に入れなくてはいけません。
弁護士であれば、誹謗中傷コンテンツを投稿した相手への、損害賠償請求の手続きを実施できます。また、交渉がまとまらない場合は、裁判所を介することになりますが、弁護士がいれば問題なく対応してもらえるでしょう。
刑事告訴のサポート
誹謗中傷コンテンツの投稿者を刑事告訴したい場合は、証拠と告訴状を警察に提出する必要があります。しかし、告訴するために必要十分な証拠を集めるのは、なかなか骨が折れる作業だといえるでしょう。
証拠が不十分な場合、刑事告訴できないこともあります。しかし、弁護士が告訴状の作成をサポートしてくれることで、証拠の蓋然性が高まり、警察が動いてくれる確率を上げることが可能です。
弁護士では対応できないこと
誹謗中傷コンテンツの削除依頼や、投稿した相手を特定できる弁護士ですが、万能ではありません。本章では、弁護士が対応できないことについて解説します。
法的に権利侵害を立証できない場合の対応
弁護士が対応できる削除依頼や発信者情報開示請求、損害賠償請求、刑事告訴は、コンテンツや投稿内容が法的に権利侵害を立証できる場合のみ実施することが可能です。したがって、権利侵害を立証できない場合、弁護士による対応は困難になります。
つまり、弁護士に依頼しても、権利侵害を立証できるだけの証拠が集められなければ、誹謗中傷対策につながらない可能性があるのです。よって、弁護士に誹謗中傷対策を依頼する場合には、期待した効果が得られないリスクを視野に入れておく必要があります。
犯罪予告など過激な投稿への対応
犯罪予告などの過激な投稿については、事件性が強いので、弁護士ではなく警察に相談するべきでしょう。そもそも、犯罪予告は違法行為であるため、弁護士が対応できる範疇を超えています。
事件につながる可能性のあるコンテンツや投稿を見つけた場合には、速やかに警察へ相談しましょう。
逆SEOと弁護士のどちらを活用するべきか?
逆SEOと弁護士による誹謗中傷対策は、とりうるアプローチが異なるため、どちらを活用するべきか迷う方も多いでしょう。それぞれが、どのようなケースに適しているのか解説します。
逆SEOがおすすめのケース
逆SEOを実施することによって、誹謗中傷の原因になっているサイトの検索順位を下げられれば、誹謗中傷被害を抑制できます。したがって、誹謗中傷のダメージを着実に減らしたい場合は、逆SEOの実施がおすすめです。
逆SEOの実施によって、自社サイトのドメインパワーが上がるため、副次効果として継続的な検索順位の向上や集客も実現できる点も大きなメリットです。
弁護士への依頼がおすすめのケース
誹謗中傷の原因になっているページや投稿を削除できれば、問題の根本解決につながる場合があります。そのため、誹謗中傷の原因そのものを削除したい場合には、弁護士への依頼がおすすめでしょう。
ただし、弁護士に依頼した場合でも、必ず誹謗中傷コンテンツや投稿を削除できるとは限りません。また、当該コンテンツや投稿が転載されると、さらに同様の対応が必要になるため、いたちごっこになる可能性がある点に注意が必要です。
逆SEOと弁護士の使い分けが肝心
逆SEOで実施できることは、おもに以下4つの施策です。
- 良質なコンテンツの作成
- 良質な被リンクの増加
- SNSの運用代行
- 外部サイトでコンテンツ作成
一方、弁護士が対応できる誹謗中傷対策としては、以下4つの施策が挙げられます。
- 誹謗中傷コンテンツや投稿の削除依頼
- 発信者情報開示請求の実施
- 投稿者への損害賠償請求
- 刑事告訴のサポート
このように逆SEOと弁護士では実施できる施策に違いがあるため、自社の課題にあわせて最適な方法を選択することが大切です。
ただし、誹謗中傷被害の中には、法律では対処できないものが多いことも事実でしょう。そこで弊社エフェクチュアルでは、法律では解決できないネット炎上をWebリスクコンサルタントが解決する「オンライン評判管理対策」サービスを提供しています。
具体的には、検索エンジン上の入力補助・関連検索の誹謗中傷キーワードや、検索結果上の誹謗中傷サイトの表示抑制が可能です。また、リスク検知ツール『WEBリスククラウド』を活用することによって、検索エンジン上のネガティブ情報の検知・記録・通知を実現し、確実な誹謗中傷対策を実現します。
誹謗中傷対策を検討している方は、ぜひエフェクチュアルまでお気軽にご相談ください。