最終更新日 2024.11.15
SNS上での個人や企業への誹謗中傷が社会問題になっています。誹謗中傷を原因とする痛ましい事件をニュースなどで目にしたことのある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSで誹謗中傷を行う人の心理を解説していきます。加えて、誹謗中傷の標的にされた場合に取るべき行動、逆に取ってはいけないNG行動についてもご紹介します。
規模こそ違いますが、個人でも企業でも誹謗中傷を受けた場合の対処法は共通しているので、ぜひ参考にしてください。
SNS上で誹謗中傷が起きやすい理由
SNS上で誹謗中傷が起きやすい大きな理由のひとつが匿名性。SNSでは多くの場合、匿名での発信が可能で、バレないだろうという気軽な気持ちを抱きやすい点が特徴です。
面と向かっては言えない攻撃的な言葉が発信されやすい環境が整っており、ストレスのはけ口になりやすいと言えるでしょう。特に、企業や有名人に対する誹謗中傷が起きやすいのは、自分に直接の利害関係がないことや、立場的に下手に出ざるを得ないという関係性を悪用しているとも言えます。
集団心理が働きやすいのも大きな要因のひとつ。誰かが発信した内容に「みんな言っているから」と気軽に後乗りし、1人では発言を控えるような過激な投稿をしてしまうケースがよく見られます。
気軽に発信できるからこそ、発信をする前に立ち止まって内容に問題がないか確認する必要があります。
誹謗中傷する人の心理
SNSで誹謗中傷する人が、必ずしも日常生活でも誹謗中傷を行っているわけではありません。一時的な感情の落ち込みや、SNSの匿名性に後押しされて、いわば魔が差して誹謗中傷してしまうケースも見られます。
ここでは、誹謗中傷をする人の心理を詳しく解説していきます。
ストレスを発散したい
SNSで誹謗中傷を行う人は、日常生活に不満があり、ストレスを発散したいという欲求を抱えています。
SNSは匿名性が高く、現実社会では直接的に表現しにくい感情や攻撃的な言葉を発信しやすく、ストレスのはけ口になりやすいのが特徴です。
特段、発信者の言動を正したいという感情はないので、興味関心のない人や物に対して誹謗中傷の矛先が向けられる場合もあります。
自己肯定感を高めたい・優越感を得たい
SNS上で誹謗中傷を行う人々のなかには、自己肯定感を高めたい・優越感を得たいという気持ちを抱えている人もいます。
自己肯定感が低い人は、自分自身に自信を持てず、他人と自分を比較してしまいがちです。他人を貶めることで一時的に自分の優位性を感じ、自己肯定感を高めようとする傾向があります。
また、誹謗中傷によって他者の欠点や失敗を指摘し、自分が他人よりも優れているという優越感を得ようとする傾向にあります。誹謗中傷によって一時的に自尊心が満たされるものの、根本的な自己評価の低さは解決されないため、誹謗中傷行為が繰り返されることがあります。
愛情不足を補いたい
愛情不足を補いたいという感情から誹謗中傷に走るケースもあります。
日常生活で十分な愛情や承認を得られていないと感じている人が、その不足感を埋めるために他者を攻撃することで注目を集めようとします。注目を集めることで承認欲求が満たされ、それが快感になって誹謗中傷が繰り返されます。
マウンティングを楽しみたい
SNS上で誹謗中傷を行う人のなかには、マウンティングを楽しみたいという心理を持っている人もいます。
マウンティングとは、他人を見下すことで自分の優越感を得ようとする行為。誹謗中傷を通じて他者を攻撃し、自分が他人よりも優れていると感じて自尊心を満たそうとします。このような行動は、自己肯定感の低さや劣等感から来る場合が多い点が特徴です。
匿名性の高さによってさらにマウンティング行為がエスカレートしやすい点もSNSの問題のひとつです。
集団心理
SNS上で誹謗中傷が発生する背景には、集団心理が大きく影響しています。
この心理は、「赤信号みんなで渡れば怖くない」という言葉に象徴されるように、他の人も同じ行動をしているから自分も大丈夫だという安心感を生み出します。集団の中にいることで、個々の責任感が薄れ、他人を傷つけることへの罪悪感が減少する傾向もあります。
さらに、集団極性化という現象も関与しています。これは、集団で議論や意見交換を行うと、個々の意見がより極端になりやすいという心理的傾向です。
SNS上でもこの集団極性化が起こり、誹謗中傷がエスカレートしやすいと考えられます。匿名性が拍車をかけ、どんどん過激な発信が行われる場合があります。
誹謗中傷する人の特徴
誹謗中傷をする人の特徴について解説していきます。
一時的な心理状況で誹謗中傷が行われるケースもありますが、元からその人が持っている考え方や特性に根ざして誹謗中傷が行われるケースもあります。
どのような対策を取るべきかを考えるうえでも誹謗中傷をする人の特徴を知ることは重要と言えるでしょう。
コンプレックスがあり、嫉妬心が強い
SNS上で誹謗中傷を行う人のなかには、コンプレックスがあり、嫉妬心が強いという特徴を持つ人が多くいます。
自分の容姿・学歴・収入などに対して劣等感を抱えており、その不足感を他人への攻撃で埋めようとします。特に自分よりも成功している人や幸せそうな人を見ると、その人の欠点を探し出し、誹謗中傷することで一時的な優越感を得ようとする傾向にあります。
嫉妬心が強い人は、他人の成功や幸せを素直に受け入れることが難しく、その結果として誹謗中傷に走りやすい点が特徴。誹謗中傷により一時的な満足感を得るものの、根本的な解決にはならないため、誹謗中傷が繰り返されます。
自分は正しい、人より勝っているという思い込みがある
「自分は正しい」「人より勝っている」という思い込みを持っている人も誹謗中傷に走る傾向にあります。
自分の意見や価値観が絶対的に正しいと信じており、その信念に基づいて他人を批判します。自分の正当性を誇示することで、自尊心を満たそうとするのです。
また、自分の意見に対する周囲からの批判や異なる意見を受け入れられないため、どんどんヒートアップして誹謗中傷がエスカレートすることもあります。
ストレスの発散方法を知らない
ストレスの発散方法を知らないというのも誹謗中傷を行う人の特徴のひとつです。
日常生活でストレスを抱えたとしても趣味や友人との会話など正しいストレス発散方法を持っていれば誹謗中傷に走ることはないでしょう。
適切にストレスを解消する手段を持っていないため、手元にあってすぐに使えるSNSで他者を攻撃し、快楽を得ようとするのです。
SNSで誹謗中傷を受けたときのNG行動
SNSで誹謗中傷を受けたときのNG行動を解説していきます。
誹謗中傷を受けると腹が立ったり、傷ついたりすることは避けられないでしょう。しかし、そこでの行動がその後の被害の大きさを左右します。一度立ち止まって落ち着いた対応を心がけましょう。
感情的な対応をしない
SNSで誹謗中傷を受けた際に重要なのは、感情的な対応をしないことです。
感情的な返信を行うことで被害が拡大したケースもよく見受けられます。感情的に反応すると、相手にさらなる燃料を与えてしまい、状況がエスカレートする可能性があるので、注意が必要です。攻撃的な発言や反論は避け、冷静に対応しましょう。
冷静さを保つためには、まずはひと呼吸置くことが大切です。怒りや悲しみといった感情に流されず、状況を客観的に見つめましょう。誹謗中傷の内容を記録し、必要であれば法的措置を検討する準備を整えることも重要です。
また、そもそも誹謗中傷に対して反応しない練習も必要。無視することで、相手にその行為が無意味であることを示し、誹謗中傷の連鎖を断ち切ることにつながります。
仕返しをしない
誹謗中傷を受けた際に避けるべき行動のひとつは、仕返しをしないことです。
感情的になり、相手に対して反撃を試みると、状況がさらに悪化する可能性があります。仕返しや感情的な返信を引き出そうとして挑発してくるケースもあるので注意が必要です。
自分は他人を誹謗中傷などしなくても自分を成長させることで承認欲求を満たせる、誹謗中傷する人とは違うと思い、スルーしましょう。
また、仕返しが法的な問題に発展するおそれもあり、逆に名誉毀損罪や脅迫罪に問われてしまう場合も。自分自身が加害者になってしまう危険性があるため、注意が必要です。
SNS上でのやり取りは記録として残るため、後々のトラブル回避のためにも慎重な対応が求められます。
SNSで誹謗中傷を受けたときの対処法
SNSで誹謗中傷を受けたときの対処法を解説します。
規模こそ違うものの、個人だけでなく、企業が誹謗中傷を受けたときも同じ流れでの対処が必要です。
無視する
SNSで誹謗中傷を受けた際に効果的な対処法のひとつは、無視することです。
誹謗中傷を行う人々は、しばしば相手の反応を期待しており、その反応が彼らの行動をさらに助長することがあります。無視することで、相手の期待を裏切り、誹謗中傷のモチベーションを下げることができます。
ただし、無視することにはリスクも伴います。誤った情報や誤解が広まる可能性があるため、状況によっては適切な対策を講じる必要があります。
具体的な被害に及んでいない場合は無視を続けるのもひとつの方法ですが、攻撃がエスカレートしたり、心身に悪影響が出始めたりした場合は、専門家やしかるべき機関に相談することが重要です。
証拠の保存と削除申請
SNSで誹謗中傷を受けた際の重要な対処法のひとつは、証拠の保存と削除申請です。
まず、誹謗中傷の内容を証拠として残すことが不可欠。スクリーンショットを撮影し、投稿の内容・日時・URL・アカウント情報などを詳細に記録することで、後に法的措置を取る際に必要な証拠となります。
証拠を確保した後は、投稿者本人やSNSプラットフォームに削除申請を行いましょう。多くの場合、SNSや掲示板には削除依頼フォームが設けられているので、そこから証拠を添えて申請してください。
ただし、投稿者本人に削除依頼する場合は感情を逆撫でしないよう注意が必要。誹謗中傷性の高い投稿を行っている場合は、直接依頼するのではなく、弁護士に相談して対応を検討するのがベターです。
警察に相談
誹謗中傷の内容が脅迫に近い場合や、身の危険を感じる梅は、速やかに警察のサイバー犯罪相談窓口に相談しましょう。
警察に相談する際にも、投稿のスクリーンショット・URL・アカウント情報などが役立ちます。証拠を整理し、被害状況を明確に伝える準備をしましょう。
ただし、警察がすぐに動いてくれるとは限りません。誹謗中傷が名誉毀損罪や侮辱罪に該当する場合でも、違法性が高いと判断されなければ対応が遅れることがあります。
そのため、警察への相談と並行して、弁護士に相談し法的措置を検討することも有効です。
弁護士に相談
誹謗中傷に対して適切な法的措置を取るために、弁護士への相談も視野に入れましょう。
警察では動けない民事の相談も可能です。弁護士に相談することで、投稿の削除請求や発信者情報の開示請求、損害賠償請求といった具体的な手段を講じることができます。
また、弁護士が介入することで、自分自身が誹謗中傷者と直接向き合う必要がなくなり、精神的な負担を軽減することが可能です。法的措置を取る姿勢を示すことで、相手に対する抑止効果も期待できます。弁護士を選ぶ際は、Webに明るい弁護士を選びましょう。
専門対策業者に相談
SNSで誹謗中傷を受けた際、専門対策業者に相談することは非常に効果的な対処法です。
専門対策業者は、誹謗中傷や風評被害に関する豊富な経験と実績を持ち、迅速かつ適切に対応してくれます。被害状況を迅速に把握し、情報の拡散を防ぐための具体的な対策を講じることもできるでしょう。
特に、誹謗中傷が深刻化する前に迅速な対応が求められる場合、専門業者のサポートは大きな助けとなります。企業などで再発防止策を検討する場合も一度専門対策業者に相談してみるのがおすすめです。
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