最終更新日 2024.09.20
企業のコンプライアンスに対する意識は年々重要性を増しています。
インターネットの普及により、企業の不祥事や不適切な発言も拡散されやすくなったことから、コンプライアンス意識を高め、事前に対策しておくことが企業を守ることにつながります。
この記事では、コンプライアンス意識の向上が求められる背景と違反が起こる原因、コンプライアンス意識を向上させるための方法と実施の際のポイントについて紹介します。
なお、ネット上のコンプライアンス違反を未然に防止したい方は、WEB監視ツールをご利用ください。
コンプライアンスの目的
コンプライアンスの目的は法令を遵守することにあります。
これまでは国による規制や保護がありましたが、規制緩和により市場が自由化されたため、各企業が法令を遵守して活動していくことが求められるようになりました。
法令に違反してビジネスを行うことはできないため、コンプライアンスは企業活動を継続していく上で基本的な概念となります。違反すると罰金や罰則、勧告、営業停止などになる可能性があります。
また、コンプライアンスの目的には、法令遵守だけではなく社会的責任を果たすという目的も含まれます。
自社の売り上げばかりを追い求めるだけでなく、その利益を社会のために還元することによって企業の存在価値が上がり、ステークホルダーからの信頼獲得にもつながります。
コンプライアンス意識の向上が求められる背景
コンプライアンス意識の向上は年々重要度が増しています。
意識向上が求められる背景は以下の2点です。
それぞれの内容について詳しく紹介します。
不祥事に対して厳しい風潮がある
インターネットやSNSの普及により、様々な情報を目にする機会が増えたことから、世間の不祥事に対するイメージが悪化し、より敏感になっていることが挙げられます。
また、インターネットでは不祥事が起こったあとの対応まで見ることができるため、世間もその動向に注目しており、企業は誠実に迅速に対応することが求められています。
不祥事による企業のイメージ悪化を防ぐためにも、コンプライアンスに対する意識を高め、実際に怒ってしまった場合には迅速に対応できるような体制を整えておくことがより重要になってきています。
SNSの普及により拡散されやすくなった
SNSの普及により、誰もが匿名で自由に投稿できるようになったことから不祥事の告発がされやすくなったことが挙げられます。
以前よりコンプライアンス上の問題が顕在化しやすくなった上に、SNSの特性上、一度投稿された情報は拡散されやすく、すぐに広まってしまう傾向があります。
一度拡散されてしまった情報はなかなかインターネット上からは消えず、炎上など多くの注目を集めることでテレビや新聞などのマスメディアが取り上げるといったさらなる拡散につながる可能性もあります。
SNSの使い方に対する意識を浸透させ不適切な使い方を防止するなどといったコンプライアンス意識の向上がより重要になっています。
コンプライアンス違反が起こる原因
そもそもコンプライアンス違反が起こる原因にはどんな要素があるのでしょうか。
コンプライアンス違反が起こる原因として、以下の3つを紹介します。
それぞれ詳細を見ていきましょう。
不正が起こりやすい環境がそろう
コンプライアンス違反が起きる1つの原因は、動機・正当化・機会といった不正が起こりやすい環境が複数そろうことにあります。
日々の業務でプレッシャーを感じると、状況を改善したいという気持ちが不正を行う「動機」となり、その動機を正当化するために「他の人もやっているから」、「どうしても数字を出さないといけなかったから」など「正当化」する理由を見つけようとします。
ここに、実際に不正を行う「機会」が訪れることでコンプライアンス違反を犯してしまう可能性が高まります。
このように、コンプライアンス違反を正当化し実行に移せるような環境がそろうとコンプライアンス違反を犯す可能性が高くなるため、社内のルールの整備や取り締まりの強化を進めていく必要があります。
社内のコンプライアンス意識が低い
従業員の法令に関する知識が不足していると、コンプライアンス違反が発生しやすくなります。
コンプライアンスは法令を遵守することを指すため、その守るべき指針である法令に関する理解が浅いと、何が正しく、何が違反に当たるのかを正確に把握できず、無意識のうちにコンプライアンス違反を引き起こすリスクが高まります。
また、モラルや規範意識の低さもコンプライアンス違反の原因となる可能性があります。仮に法令に対する知識が浅くても、「やってはいけないこと」というモラルや規範意識があれば、コンプライアンス違反を防げる場合もあります。
ハラスメントや労務に関する知識に関する研修を実施したり、社内全体のモラル意識を向上させていく取り組みを実施したりする必要があります。
社内の体制が整っていない
社内の制度や体制の整備としては主に以下の3つの観点が挙げられます。
教育制度としてコンプライアンス研修などの実施がなされないと社員がコンプライアンスに対する意識を高める機会が少なくなります。コンプライアンス違反が企業にもたらすリスクについて共有することで意識を高めることができます。
また、管理体制が整備されていないことも要因の一つとなります。問題が発生した際に迅速に対応できる窓口を設置し、責任の所在を明確にしておかないと社内全体でのコンプライアンスに対する意識は高まりにくいです。
さらに、社内でマニュアルやルールを整備し、明確なガイドラインやポリシーを策定・浸透させることが重要です。明確なルールがないと何がコンプライアンス違反に該当するのかわからず、行動指針がないため違反を犯しやすくなります。
ルールを明示することで明確な規則を設けることが大切です。
コンプライアンス意識を向上させるための方法
コンプライアンス違反が企業に及ぼす影響や発生しやすい状況についてお伝えしてきましたが、実際にコンプライアンス意識を従業員に持ってもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。
コンプライアンス意識を高める方法として以下の3つを紹介します。
ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
研修を行う
コンプライアンス研修を実施することで従業員の意識を高めることができます。
社内研修を行い従業員がコンプライアンスについて学ぶ機会を設けることで、社内のガイドラインやルールが社員に浸透し、意識向上につながります。
また、コンプライアンス違反により企業が持つリスクを知ることができるため、コンプライアンス違反の影響の大きさについて共通認識を持つことができます。
eラーニングを活用した教育を実施する
eラーニングを活用したコンプライアンス教育も有効です。
eラーニングは個人の進捗に合わせた研修の実施が可能なため、教える内容を標準化できるというメリットがあります。また、社内研修のように社員を集めて一斉に研修を行わなくて良いため、全社員が参加しやすく、コスト削減にもつながります。
ルール・ガイドラインを制定する
ルール・ガイドラインが策定されていない場合は、情報管理や労務管理のマニュアルやルールを整備し、明確なガイドラインやポリシーを策定・浸透させることが重要です。
ルールやガイドラインが策定されることで、コンプライアンスに関する理想的な行動規範は何なのかを可視化しやすくなり、社員の判断の基準となるのがメリットです。
コンプライアンス意識向上のためのポイント
ここでは、コンプライアンスの意識を社内で高めていくにあたって押さえるべき重要なポイントを紹介します。
上記の3点について、詳しく解説します。
コンプライアンスに対する社員の意識を把握できるようにする
自社の社員がどの程度コンプライアンスに対する意識を持っているのかを確認することが重要です。
コンプライアンス意識向上のためには、社内全体でルールやガイドラインに沿った共通認識を持つ必要があります。
コンプライアンスに対する意識や認識は各個人によって異なるため、社員それぞれの意識をヒアリングし、会社の方針と異なる部分があれば共有することで共通認識を持つことができます。
明確なゴールを定める
会社のポリシーやルールを定めた上で、コンプライアンス意識を高めることの目的と最終的なゴールを明確化することが重要です。
コンプライアンスの意識向上については個々人の意識に依存する部分も大きいため、会社側から明確な基準を用意することで意識しやすくなるでしょう。
継続的な研修・教育を実施する
コンプライアンスに対する意識を継続させるためにも研修や教育の機会を定期的に設けると良いでしょう。1回の研修のみでは忘れてしまうことも多いため、定期的に開催することで意識づけしていく必要があります。
また、法令やルールは変わっていくことが前提のため、最新の情報を共有する意味でも定期的な開催が必要となります。
ネット上のコンプライアンス違反の防止なら、SNSモニタリングツール「Mimamorn」
コンプライアンスへの意識の向上が求められる背景としてSNSの普及による拡散力の高さが挙げられます。SNSは利用者が多く拡散力も高いため、一度不適切な投稿がされると瞬く間に拡散されてしまいます。
SNSでのコンプライアンスを防ぐためにも、社内でガイドラインやルールを定め、研修を行うことで社員のコンプライアンスへの意識を高めつつ、実際にコンプライアンス違反が起こった際に早期発見・対応できるよう対策をしておく必要性があります。
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