景品表示法とは何かわかりやすく解説!目的や規制内容、罰則について
.png%3Fw%3D1200&w=3840&q=75)
「業界No.1」「今だけ50%OFF」「口コミで話題」──広告や販促でよく使われる表現でも、根拠や表示方法によっては景品表示法に抵触する可能性があります。景品表示法は、商品やサービスの広告表示、キャンペーンで配布するプレゼントなどに関するルールを定めた法律です。違反すると、措置命令や課徴金納付命令の対象となる可能性があり、企業名の公表によって信用低下につながることもあります。
本記事では、景品表示法の目的や規制内容、不当表示の種類、景品規制の上限金額、違反時の罰則、企業が取るべき対策までわかりやすく解説します。
※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。最新情報は厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
広告の法令順守で困っていませんか?
20,000件以上の実績から、必要な審査体制と法令対応を解説した資料はこちら
景品表示法(景表法)とは何か?
景品表示法とは、正式名称を「不当景品類及び不当表示防止法」といい、商品やサービスの品質・価格・内容について、消費者を誤認させる不当表示を規制する法律です。
また、過度なプレゼントや懸賞によって消費者の適切な商品選択が妨げられないよう、景品類の上限金額も定めています。
消費者庁は、商品・サービスの品質や価格に関する情報は、消費者が商品・サービスを選択する際の重要な判断材料であり、正しく伝わる必要があると説明しています。実際よりも著しく優良または有利であると見せかける表示は、消費者の適正な商品選択を妨げるため、景品表示法で規制されています。
インターネット広告やSNS広告が普及した現在では、LP、口コミ、アフィリエイト広告、インフルエンサー投稿、パンフレット、動画広告なども規制対象となる可能性があります。
さらに、ガチャやキャンペーン施策など、景品を伴う販促企画も景品規制の対象になる場合があります。企業は広告表現だけでなく、販促施策全体を確認することが重要です。
景品表示法の目的
景品表示法の目的は、消費者が誤った情報によって不利益を受けないようにすることです。
例えば、十分な根拠がないにもかかわらず「必ず痩せる」「絶対に治る」と表示されている場合、消費者は商品の効果を過大に期待して購入してしまう可能性があります。
また、「今だけ50%OFF」と表示していても、実際には常時同じ価格で販売していた場合、消費者は「今買わなければ損をする」と誤認するおそれがあります。
このような不当表示を防ぎ、消費者保護と健全な市場競争を維持することが、景品表示法の大きな目的です。
御社専用の審査基準策定から法改正対応まで、広告審査の体制整備を検討しませんか?
20,000件以上の実績を持つエフェクチュアルのサービスの料金を確認する。
景品表示法の違反件数の推移
景品表示法に基づく措置命令や課徴金納付命令は、健康食品、美容関連商品、通信販売、SNS広告、アフィリエイト広告など、さまざまな分野で発生しています。
.png&w=1200&q=75)
年度 | 主な傾向 |
2021年度 | 健康食品や通販広告の優良誤認が多数 |
2022年度 | SNS・アフィリエイト広告関連の違反増加 |
2023年度 | ステマ規制導入に向けた監視強化 |
2024年度 | インフルエンサー広告やダイエット商材への措置命令が目立つ |
2025年度 | AI生成広告や比較表示への監視強化 |
特に近年は、根拠不十分なNo.1表示、口コミ風広告、比較広告、ステルスマーケティングに対する監視が強まっています。2023年10月1日からは、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すステルスマーケティングも、景品表示法違反となる可能性がある表示として規制対象になりました。
景品表示法違反は、大企業だけの問題ではありません。中小企業であっても、広告表示やキャンペーン内容に問題があれば、措置命令や課徴金納付命令の対象となる可能性があります。そのため、広告公開前の審査体制や根拠資料の管理が重要です。
景品表示法で定められている2種類の規制内容
景品表示法では、消費者が適切に商品やサービスを選べるよう、主に以下の2種類の規制を定めています。
- 不当表示に関する規制
- 過大な景品類に関する規制
広告表現とキャンペーン設計の両方に関係するため、マーケティング担当者や広告運用担当者は、それぞれの違いを理解しておく必要があります。
1. 不当表示に関する規制
不当表示とは、実際の商品やサービスの内容、品質、価格、取引条件などについて、消費者に誤認を与える表示を指します。
代表的なものには、以下があります。
- 優良誤認表示
- 有利誤認表示
- その他、誤認されるおそれのある表示
例えば、十分な根拠がない「業界No.1」表示や、実態のない「期間限定」表示は、景品表示法上問題となる可能性があります。
規制対象となる媒体は、テレビCMやチラシだけではありません。Webサイト、LP、SNS投稿、動画広告、比較サイト、口コミ風広告など、消費者の商品選択に影響を与える表示全般が対象となります。
2. 過大な景品類に関する規制
過大な景品類に関する規制とは、過度な景品提供によって消費者の適切な商品選択が妨げられないよう、景品の内容や金額に上限を設ける制度です。
例えば、商品購入者限定キャンペーンで高額商品を景品として提供する場合、取引価額や売上予定総額に応じた上限を超えると、景品表示法に抵触する可能性があります。
消費者庁は、景品規制として、一般懸賞、共同懸賞、総付景品の3種類について、それぞれ提供できる景品類の限度額を定めています。
過去に社会問題となったコンプガチャのように、射幸心を過度にあおる施策も問題視されやすい領域です。販促企画を実施する際は、景品額だけでなく、応募条件や演出方法も確認しましょう。
景品表示法における「不当表示」には3つの禁止ルールがある
景品表示法では、消費者に誤解を与える不当表示として、主に以下の3つを禁止しています。
- 優良誤認表示
- 有利誤認表示
- その他、誤認されるおそれのある表示
広告やWebサイト、SNS投稿、LP、動画広告など、媒体を問わず対象となる可能性があります。
そもそも「表示」とは
景品表示法における「表示」とは、事業者が商品やサービスの内容、品質、価格、取引条件などについて、消費者へ情報を提供するために行う表示を指します。対象となる媒体や手法は幅広く、従来の広告媒体に加え、デジタル広告やSNSなども含まれます。
例えば、テレビCM、新聞・雑誌広告、チラシ、商品パッケージ、店頭POP、Webサイト、ランディングページ(LP)、SNS投稿、動画広告などが対象となる場合があります。また、比較サイトやレビューコンテンツなどについても、内容や運用方法によっては景品表示法との関係で確認が必要となることがあります。
消費者庁では、商品やサービスの選択に影響を与える表示について、消費者に誤認を与えないよう適切な情報提供を行うことが重要であるとしています。そのため、事業者には媒体や形式を問わず、表示内容の正確性や根拠資料との整合性に配慮した情報発信が求められています。
近年では、SNSやインフルエンサーマーケティングなど、デジタル領域における情報発信の重要性が高まっています。こうした環境の変化に対応するためにも、関連法令やガイドラインを確認しながら、透明性のある広告運用を行うことが重要です。
参照:消費者庁|表示に関するQ&A
①優良誤認表示
優良誤認表示とは、商品やサービスの品質、性能、効果などについて、実際よりも著しく優れていると消費者に誤認させる表示です。
例えば、以下のような表現は注意が必要です。
- 「絶対に痩せる」
- 「100%除菌できる」
- 「飲むだけで若返る」
- 「業界No.1」
- 「顧客満足度99%」
消費者庁は、商品・サービスの内容について、実際のものより著しく優良であると一般消費者に示す表示を優良誤認表示として整理しています。
特に、効果・性能・満足度・No.1表示を強調する広告では、客観的かつ合理的な根拠を用意することが重要です。
NG
「飲むだけで必ず痩せる」
問題点
効果を断定しており、合理的根拠がなければ優良誤認表示に該当する可能性があります。
推奨
「健康的な生活習慣をサポートする」
判定ポイント
効果・性能をうたう場合は、表示内容を裏付ける根拠資料を用意しましょう。
<優良誤認表示に関する違反事例>
消費者庁はこれまで、健康食品や衛生関連製品などの広告表示について、景品表示法に基づく措置命令を行った事例を公表しています。
例えば、商品の効果や性能に関する表示について、表示内容を裏付ける合理的な根拠資料が十分に確認できないと判断されたケースでは、優良誤認表示との関係で措置命令が行われた事例があります。
また、健康食品に関する広告では、短期間で大きな変化が得られるかのような表示や、商品の効果を強く印象付ける表示について、根拠資料との整合性が確認された事例もあります。
近年では、Web広告やSNS広告、アフィリエイト広告など、デジタル広告に関する事例も公表されており、広告主だけでなく、広告運用に関わる関係者においても、表示内容や根拠資料の確認が重要となっています。
優良誤認表示の特別なルール「不実証広告規制」について
不実証広告規制とは、広告で表示した効果や性能などについて、事業者が合理的な根拠を示すことが求められる制度です。景品表示法では、表示内容が消費者の商品・サービス選択に影響を与える可能性があることから、広告内容と根拠資料との整合性が重視されています。
消費者庁は、表示内容について合理的な根拠の有無を確認するため、必要に応じて事業者へ資料の提出を求めることがあります。事業者は、試験結果や調査データ、学術文献など、表示内容を裏付ける資料を提出し、その妥当性について説明することが求められます。
提出された資料が表示内容の根拠として十分であるかどうかは、個別の事案ごとに判断されます。そのため、広告で効果や性能、満足度、No.1表示などを訴求する際には、あらかじめ客観的な根拠資料を整理し、表示内容との整合性を確認しておくことが重要です。
事業者には、消費者へ適切な情報を提供する観点から、広告表示と根拠資料との関係を継続的に確認しながら運用することが求められています。
②有利誤認表示
有利誤認表示とは、商品やサービスの価格や取引条件について、実際よりも著しく有利であると消費者に誤認させる表示です。
例えば、以下のような表示には注意が必要です。
- 「通常価格10万円→今だけ1万円」
- 「本日限定価格」
- 「初回無料」
- 「実質0円」
- 「返金保証」
- 「送料無料」
消費者庁は、価格その他の取引条件について、実際のものより著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を有利誤認表示として整理しています。
ECサイトやサブスクリプションサービスでは、初回価格、定期購入条件、解約条件、追加費用などを分かりやすく表示することが重要です。
NG
「通常価格10万円→今だけ1万円」
問題点
通常価格での販売実績がない場合、実際よりも大幅にお得であると誤認させる可能性があります。
推奨
「販売価格1万円」
判定ポイント
通常価格や割引率を表示する場合は、販売実績や価格履歴を保存しておきましょう。
<有利誤認表示に関する違反事例>
有利誤認表示に関する事例としては、価格や取引条件について実際よりも有利であるかのような印象を与える表示が挙げられます。特に、二重価格表示や期間限定表示、定期購入に関する表示などは、景品表示法との関係で確認が必要となる場合があります。
例えば、「期間限定」「特別価格」などの表示を行う場合には、その表示内容と実際の販売状況との整合性が重要です。また、比較対象となる価格を表示する際には、その価格の根拠や実績を確認しておくことが求められます。
さらに、定期購入や継続契約を伴う商品・サービスについては、販売価格だけでなく、契約期間や解約条件などの取引条件についても、消費者が理解しやすい形で案内することが重要です。
③その他、誤認されるおそれのある表示
景品表示法では、優良誤認表示や有利誤認表示以外にも、消費者に誤解を与えるおそれのある表示が規制されています。
代表例として、以下があります。
- おとり広告
- 原産国の不当表示
- ステルスマーケティング
- 不動産のおとり広告
- 有料老人ホームに関する不当表示
例えば、実際には販売する意思や在庫がない商品を集客目的で掲載する「おとり広告」は、消費者の適切な商品選択を妨げる行為として問題になります。
また、広告であるにもかかわらず、一般消費者の口コミや感想を装って宣伝するステルスマーケティングも規制対象です。
関連記事:偽広告・なりすまし広告・フェイク広告とは?偽広告のリスクと企業が取るべき対策|総務省ガイダンス徹底解説
<その他の誤認表示に関する違反事例>
近年は、SNSや口コミサイトを利用した、なりすまし型広告やステルスマーケティングに注意が必要です。
例えば、事業者がインフルエンサーや第三者に報酬を支払って商品を宣伝させているにもかかわらず、「広告」「PR」などの表示を行わず、自然な口コミのように見せるケースがあります。このような表示は、消費者が広告であると認識できず、商品選択を誤るおそれがあるため問題となります。
また、実際には在庫がない商品を安価で掲載し、消費者を店舗やサイトへ誘導する「おとり広告」や、海外製品をあたかも国産品のように表示するケースも注意が必要です。
景品表示法の改正によりステルスマーケティング(ステマ)も規制対象に
2023年10月から、ステルスマーケティングが景品表示法上の規制対象となりました。
ステルスマーケティングとは、広告であるにもかかわらず、その事実を隠したまま商品やサービスを宣伝し、消費者に中立的な口コミや感想であると誤認させる行為です。例えば、企業がインフルエンサーへ報酬を支払って商品紹介を依頼しているにもかかわらず、「広告」「PR」などの表示を行わず投稿させるケースが代表例です。
消費者庁は、令和5年10月1日から、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すステルスマーケティングは景品表示法違反となると説明しています。
NG
企業から商品提供を受けているにもかかわらず、個人の感想としてSNS投稿する
問題点
広告であることが消費者に伝わらず、通常の口コミと誤認される可能性があります。
推奨
「PR:〇〇社から商品提供を受けて使用しています」
判定ポイント
報酬、商品提供、招待、割引などがある場合は、広告表示の要否を確認しましょう。
参照:消費者庁|「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準
関連記事:景品表示法改正とステルスマーケティング規制広報担当者が押さえるべき最新動向と実務対策
最新の法令知識を随時反映。AI監視×専門家による『AdTRUST』で24時間365日の安心を
低コストで始められる広告審査代行サービスを詳しく確認
景品表示法における「過大な景品類」の3つの規制と上限金額
景品表示法では、過度な景品提供によって消費者の射幸心をあおったり、商品やサービス本来の品質・価格ではなく景品の魅力だけで購入判断が左右されたりしないよう、景品類の内容や上限金額を定めています。
景品規制では、主に「一般懸賞」「共同懸賞」「総付景品」の3種類を確認する必要があります。
参照:消費者庁|景品規制の概要
①一般懸賞
一般懸賞とは、商品やサービスの購入者、来店者、応募者などを対象に、抽選やくじ引き、クイズ、ゲーム結果などによって景品を提供する販促キャンペーンです。例えば、「商品購入者の中から抽選で高級家電をプレゼント」といった企画が該当します。
景品表示法では、一般懸賞の景品額について、以下の上限が定められています。具体的には、取引価額が5,000円未満の場合は取引価額の20倍まで、5,000円以上の場合は最高10万円までとされており、キャンペーン全体の景品総額は、売上予定総額の2%以内に収める必要があります。
例えば、500円の商品購入者を対象に抽選キャンペーンを行う場合、景品の最高額は500円×20倍=1万円までが目安です。
②共同懸賞
共同懸賞とは、商店街、ショッピングモール、業界団体、メーカーと販売店など、複数の事業者が共同で実施する懸賞キャンペーンです。地域活性化や販売促進を目的に行われることが多く、商店街の福引セールやスタンプラリーなどが代表例です。
景品表示法では、景品最高額は30万円まで、景品総額は売上予定総額の3%以内と定められています。
共同懸賞は、複数の事業者が関与するため、対象店舗、応募条件、売上予定総額、景品総額の管理が複雑になりやすい施策です。実施前に参加事業者間でルールを明確にしておくことが重要です。
③総付景品
総付景品とは、商品やサービスを購入した人、来店した人、アンケート回答者など、条件を満たした全員に提供される景品です。
抽選ではなく「もれなく進呈」される点が特徴で、以下のような施策が該当します。
- 来店者全員にノベルティを配布する
- 購入者全員にオリジナルグッズを進呈する
- 先着順で特典を提供する
- 商品購入者全員にポイントを付与する
景品表示法では、過大な景品提供による不当な顧客誘引を防ぐため、景品額に上限が設けられています。
具体的には、取引価額が1,000円未満の場合は最高200円まで、1,000円以上の場合は取引価額の10分の2までと定められています。例えば、5,000円の商品購入者全員に景品を提供する場合、上限は5,000円×20%=1,000円です。
また、近年増えているガチャ形式の販促施策についても、過度に射幸心をあおる内容にならないよう注意が必要です。景品内容や演出次第では、景品表示法上の問題が生じる可能性もあるため、企画段階で慎重な確認が求められます。
業界ごとの景品規制ルール「公正競争規約」について
公正競争規約とは、景品表示法に基づき、業界団体が自主的に定める広告・表示に関するルールです。業界ごとの商習慣や商品特性に応じて、より具体的な表示基準が設けられており、景品表示法を補完する役割を持っています。
対象業界は、食品、飲料、不動産、自動車、家電、化粧品など幅広く存在します。
例えば、不動産広告では「駅徒歩〇分」の表示方法や物件情報の記載基準が定められています。また、食品表示では原材料名、原産国、アレルギー表示などについて細かな基準が設けられています。
企業は景品表示法だけでなく、自社業界に関連する公正競争規約も確認することが重要です。
参照:消費者庁|公正競争規約
景品表示法の規制対象外になる条件
景品表示法において、景品規制の対象外となる代表的な施策が「オープン懸賞」です。
オープン懸賞とは、商品やサービスの購入・利用・来店を応募条件とせず、誰でも無料で参加できる懸賞を指します。
代表例として、以下があります。
- SNSのフォロー&リポストで応募
- アンケート回答でプレゼント応募
- メルマガ登録キャンペーン
- Webサイト上で誰でも応募できる懸賞
購入や契約などの取引が発生しないため、一般懸賞のような景品額や総額の規制は原則として受けません。
ただし、商品の購入や会員登録が実質的な条件となっている場合は、オープン懸賞ではなくクローズド懸賞と判断される可能性があります。その場合、景品表示法上の景品規制が適用されるため、企画段階で内容を確認することが重要です。
景品表示法に違反した場合に科される罰則
景品表示法に違反した場合、消費者庁や都道府県から措置命令や課徴金納付命令を受ける可能性があります。
特に、優良誤認表示や有利誤認表示では、対象商品・サービスの売上額を基準に課徴金が算定される場合があります。
また、行政処分を受けると企業名や違反内容が公表されるため、金銭的負担だけでなく、企業イメージやブランド価値の低下にもつながる可能性があります。
消費者庁や都道府県からの「措置命令」
措置命令とは、景品表示法に基づき、不当表示に該当すると判断された場合に、消費者庁が事業者に対して行う行政上の措置の一つです。消費者が適切に商品やサービスを選択できる環境を整えることを目的として運用されています。
措置命令では、表示内容の見直しや再発防止に向けた対応、社内管理体制の整備、必要な事項の周知などが求められる場合があります。また、措置命令の内容は公表されることがあり、事業者には適切な広告表示や情報提供を行うことが求められています。
近年では、Web広告やSNS広告、ECサイト上の表示など、デジタル領域における広告表示についても措置命令が行われた事例が公表されています。そのため、事業者は広告表現やキャンペーン内容について、関連法令やガイドラインとの整合性を確認しながら運用することが重要です。
広告運用においては、表示内容の根拠資料を整理し、社内の確認フローや広告審査体制を整備することで、適切な情報提供につなげることが求められます。
消費者庁からの「課徴金納付命令」
優良誤認表示や有利誤認表示など、景品表示法に違反する表示を行った場合、課徴金納付命令の対象となる可能性があります。
課徴金制度は、不当表示によって得た経済的利益を返還させることを目的とした制度です。課徴金額は、原則として対象商品・サービスの売上額の4.5%とされています。例えば、違反表示の対象となった商品・サービスの売上額が1億円だった場合、課徴金額は450万円となります。売上額が10億円であれば4,500万円となるため、違反による経済的負担は決して小さくありません。
違反期間が長期に及ぶ場合や、対象売上が大きい場合には、課徴金額も高額になる可能性があります。
また、課徴金納付命令は措置命令とあわせて公表されることが多く、金銭的負担に加えて企業の信用低下にも注意が必要です。
行政命令に従わない場合の「刑事罰」
措置命令に従わない場合には、刑事罰の対象となる可能性があります。
違反内容によっては、法人だけでなく、広告表示に関与した担当者や責任者など個人が責任を問われる場合もあります。
そのため、行政機関から指摘を受けた場合は、速やかに事実確認を行い、必要な是正対応や再発防止策を講じることが重要です。
景品表示法違反の発覚から処分までの流れ
景品表示法違反は、消費者や競合他社からの通報、行政機関による監視、SNS上での炎上などをきっかけに発覚することがあります。
一般的な流れは以下のとおりです。
- 消費者・競合他社・内部関係者などからの情報提供
- 消費者庁や都道府県による調査
- 事業者への資料提出要請や説明要求
- 表示内容・根拠資料・販売実態の確認
- 必要に応じた弁明の機会
- 違反が認められた場合の措置命令・課徴金納付命令
調査では、広告表示の根拠となるデータ、販売実績、社内承認資料、キャンペーン設計資料などの提出を求められる場合があります。特に「No.1表示」「効果表示」「二重価格表示」などでは、根拠資料を提示できるかどうかが重要です。
近年はSNSの普及により、不適切な広告表現が短時間で拡散され、炎上をきっかけに問題化するケースもあります。広告制作段階から法令確認を徹底し、継続的な表示チェック体制を整備することが重要です。
景品表示法違反とならないための対策
景品表示法違反を防ぐには、広告制作段階から法令順守の仕組みを構築することが重要です。
表示内容の根拠確認、景品上限額の確認、社内チェック体制の整備、外部専門家の活用などを組み合わせることで、誤認表示や不適切な販促表現のリスクを低減できます。
景品表示法ガイドラインを正しく理解し社内に周知させる
まず重要なのは、景品表示法や関連ガイドラインの内容を理解し、広告運用に関わる関係者間で共通認識を持つことです。特に、マーケティング部門や広告運用担当者、SNS運用担当者、営業部門、制作会社など、広告制作や情報発信に関わる関係者が、関連法令やルールを確認できる体制を整備することが求められます。
また、広告表現に関する社内基準や運用ルールを明確化し、ガイドラインやマニュアルとして共有することも重要です。あわせて、キャンペーンや広告公開前に内容を確認するチェックフローを整備することで、表示内容と根拠資料との整合性を確認しやすくなります。
さらに、必要に応じて法務部門や外部の専門家による確認を行うほか、研修や情報共有の機会を設けることで、関連法令やガイドラインに関する理解を深めることも有効です。
こうした取り組みを継続することで、広告表示に関する確認体制の整備やコンプライアンス体制の強化につなげることができます。
関連記事:景品表示法ガイドラインの遵守すべきポイントや違反事例をわかりやすく解説
自社の計画が規制対象にならないか事前確認を徹底する
キャンペーンやプレゼント施策を実施する際には、その内容が景品表示法や関連ガイドラインの対象となるかを事前に確認することが重要です。特に、プレゼントキャンペーンやSNSを活用した施策、比較表示、No.1表示などは、表示内容や実施方法によって確認が必要となる場合があります。
例えば、No.1表示やランキング表示を行う場合には、その内容を裏付ける客観的な根拠資料を整理し、表示内容との整合性を確認することが求められます。また、SNSキャンペーンや懸賞企画についても、応募条件や景品内容によっては、関連する法令やルールを確認することが重要です。
そのため、施策の企画段階から関係部署と連携し、表示内容やキャンペーン設計について確認を行う体制を整備することが望まれます。必要に応じて法務部門や外部の専門家へ相談しながら進めることで、適切な広告運用やキャンペーン運営につなげることができます。
継続的に法令やガイドラインの内容を確認しながら、社内ルールや確認フローを整備していくことも重要です。
法令順守のための社内規定を明確にする
広告運用においては、広告審査フローや承認基準を整備し、「誰が・どの段階で・何を確認するのか」を明確にすることが重要です。確認体制をあらかじめ整理しておくことで、広告表示に関する確認事項を関係者間で共有しやすくなります。
特に、比較表示やNo.1表示、キャンペーン施策などは、表示内容の根拠資料や実施条件との整合性を確認することが求められます。そのため、企画段階から関係部署が連携し、広告内容や運用ルールについて確認を行う体制を整備することが重要です。
また、近年はSNSやインフルエンサーマーケティングの活用が広がっていることから、広告表示や情報開示に関するルールを整理しておくことも重要です。広告やプロモーションであることを消費者が理解できるよう、表示方法や運用基準をあらかじめ定めておくことが求められます。
さらに、インフルエンサー施策を実施する際には、投稿内容の確認方法や役割分担、運用ルールなどについて関係者間で共有し、透明性のある情報発信を行うことが重要です。こうした取り組みを通じて、広告運用体制やコンプライアンス体制の整備につなげることができます。
広告審査代行サービスを導入する
社内のみで広告審査体制を構築・運用することが難しい場合には、広告審査代行サービスの活用も選択肢の一つです。外部の専門サービスを利用することで、広告表示の確認業務を補完し、関連法令やガイドラインへの対応を進めやすくなる場合があります。
また、広告審査代行サービスでは、広告表現の確認に加え、広告ガイドラインの整備や運用フローの見直し、モニタリング体制の構築支援などを提供している場合もあります。SNS広告やLP、動画広告など、さまざまな広告媒体を運用している企業にとっては、広告審査体制の整備を検討する際の参考となることがあります。
広告出稿量が多い企業や、複数の媒体・施策を並行して運用している企業では、社内体制と外部サービスを組み合わせながら運用を行うケースもあります。
エフェクチュアルの「AdTRUST」では、広告表示の確認支援やモニタリング、広告運用ルールの整備支援などを提供しています。広告審査体制や運用フローの見直しを検討している場合は、サービス内容を確認してみることも選択肢の一つです。
まとめ
景品表示法は、消費者を守り、公正な市場競争を維持するために重要な法律です。
優良誤認表示、有利誤認表示、ステルスマーケティングなど、近年はインターネット広告やSNSを中心に違反リスクが高まっています。
また、プレゼントキャンペーンやガチャ施策では、景品類の上限金額にも注意が必要です。
違反した場合は、措置命令や課徴金納付命令だけでなく、企業名の公表やSNS炎上によるブランド毀損にもつながる可能性があります。
景品表示法ガイドラインを理解し、広告審査体制、根拠資料の管理、社内研修、外部パートナーへのルール共有を徹底することで、安全な広告運用を実現しやすくなります。必要に応じて広告審査代行サービスや専門家を活用し、継続的な法令順守体制を構築しましょう。
経営リスクから守る広告審査代行サービスを導入してみませんか?
広告審査・法令順守の負担を軽減。AdTRUSTの導入事例と機能詳細を確認する
参考情報・一次情報
- 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/
- 消費者庁:https://www.caa.go.jp/
- e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、法的助言を行うものではありません。個別の事案に関する判断や対応については、弁護士その他の専門家へご相談ください。
この記事の監修者

SORILaコンテンツ編集チーム
「SORILa」は、企業の抱えるWebリスク課題の解決に役立つ情報を発信するメディアです。独自の開発ノウハウにより、Web上での情報発信やブランディングを支援するサービスを開発している株式会社エフェクチュアルが運営しています。
これまで22,000件以上のWebリスク支援に携わってきた実績をもとに、最新の炎上事例やWebリスク対策セミナーの先行公開、Webリスク無料診断のお申込み案内など、すべての企業に有益な情報を継続的に発信しています。
編集ポリシーはこちら
.png?w=640)

.png?w=640)