化粧品広告で禁止されている表現は?薬機法に基づくルールや違反事例を解説
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「シミが消える」「若返る」「医師もすすめる」──化粧品広告のコピーを考えるとき、こうした強い表現を使いたくなる場面は少なくありません。しかし、化粧品は医薬品ではないため、広告で表現できる効能効果には明確な範囲があります。魅力的な訴求であっても、薬機法や景品表示法に抵触する可能性があれば、広告停止や行政指導、ブランド毀損につながるおそれがあります。
本記事では、化粧品広告で禁止・制限される表現、薬機法に基づくルール、違反事例、広告審査で確認すべきポイントをわかりやすく解説します。
※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。最新情報は厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
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化粧品広告の表現を規制する代表的な3つの法律
化粧品広告は、消費者の美容・健康に関わる情報を扱うため、複数の法律や業界基準によって規制されています。
特に重要なのは、以下の3つです。
- 薬機法
- 景品表示法
- 特定商取引法
広告制作会社、マーケティング担当者、SNS運用担当者、インフルエンサー施策を行う企業は、それぞれの規制内容を理解したうえで広告表現を確認する必要があります。
1. 薬機法(旧 薬事法):虚偽・誇大広告等の禁止
薬機法は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器などの品質・有効性・安全性を確保し、保健衛生上の危害を防ぐための法律です。化粧品広告では、実際以上の効果を示す虚偽・誇大表現や、医薬品のような治療効果を想起させる表現が問題となります。
例えば、以下のような表現は注意が必要です。
- 「シワが完全に消える」
- 「シミを根本から治す」
- 「肌細胞を再生する」
- 「絶対に若返る」
- 「副作用ゼロ」
化粧品は、あくまで人体への作用が緩和なものとして位置づけられています。そのため、疾病の治療・予防や身体機能の改善を示すような表現は、薬機法上のリスクが高くなります。
また、SNS投稿、口コミ、インフルエンサー投稿であっても、事業者が内容に関与している場合は広告とみなされる可能性があります。広告主は、外部パートナーによる投稿も含めて表現内容を管理することが重要です。
①医薬品等適正広告基準:広告規制の基準
厚生労働省が示す「医薬品等適正広告基準」は、医薬品・医薬部外品・化粧品などの広告を適正化し、消費者への誤認を防ぐための基準です。厚生労働省は、医薬品等の広告が適正を欠く場合、国民の保健衛生上大きな影響を与えるおそれがあるとして、薬機法に基づき広告規制を行っています。
化粧品広告では、効能効果を過度に強調したり、安全性を断定したりする表現は避ける必要があります。
NG
「100%安全で、必ずシミが消えます」
問題点
安全性と効能効果を断定しており、薬機法や景品表示法に抵触する可能性があります。
推奨
「日やけによるシミ・ソバカスを防ぎます」
判定ポイント
化粧品として認められた効能効果の範囲内に収まっているか、効果や安全性を保証していないか確認しましょう。
②化粧品の表示に関する公正競争規約:業界ごとの独自ルール
化粧品公正取引協議会では、化粧品の表示に関する公正競争規約を定めています。
同規約では、化粧品の品質、効能効果、安全性などについて、虚偽または誇大な表示により一般消費者に誤認されるおそれのある表示をしてはならないとされています。例えば、化粧品であるにもかかわらず、医薬品のような治療効果を示す表現は認められません。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「肌細胞を再生する」
- 「アトピーを改善する」
- 「皮膚疾患を治す」
- 「他社品より確実に効果がある」
また、他社商品を不当に貶める比較広告や、実際以上の効果を印象づけるビフォーアフター画像にも注意が必要です。
NG
「使用後7日でシミが消えた」と、劇的な変化を示すビフォーアフター画像を掲載する
問題点
化粧品では認められていない治療効果や改善効果を想起させ、消費者に実際以上の効果を期待させる可能性があります。
推奨
「うるおいを与え、肌を整える」など、化粧品として認められた効能効果の範囲で訴求する
判定ポイント
画像や演出によって効能効果を過度に強調していないか、化粧品の範囲を超える印象を与えていないか確認しましょう。
参照:化粧品公正取引協議会|化粧品の表示に関する公正競争規約
③化粧品等の適正広告ガイドライン:日本化粧品工業連合会による自主基準
日本化粧品工業会は、化粧品等の広告表現について、規制および遵守すべき事項を明確にするための自主基準として「化粧品等の適正広告ガイドライン」を公表しています。
ガイドラインでは、化粧品広告における効能効果の表現、使用前後の写真、体験談、専門家推薦、SNS投稿など、実務で問題になりやすい表現について考え方が示されています。
例えば、モデルや女優を起用する場合でも、実際以上の効果を印象づける演出や、誰にでも同じ結果が出るように見える表現には注意が必要です。
2. 景品表示法(景表法):不当表示の禁止
景品表示法は、消費者に誤認を与える不当表示を禁止する法律です。化粧品広告では、薬機法とあわせて確認が必要です。
特に問題になりやすいのは、以下の表示です。
- 優良誤認表示
- 有利誤認表示
- ステルスマーケティング
優良誤認表示とは、商品やサービスの品質・効果について、実際よりも著しく優れていると誤認させる表示です。
例えば、十分な根拠がないにもかかわらず、以下のような表現を使う場合は注意が必要です。
- 「満足度99%」
- 「売上日本一」
- 「業界No.1」
- 「使用者のほとんどが効果を実感」
有利誤認表示とは、価格や取引条件について、実際よりも著しく有利であると誤認させる表示です。
例えば、「初回無料」と表示しながら、実際には定期購入が条件になっている場合や、解約条件が分かりにくい場合は問題となる可能性があります。
関連記事:景品表示法とは何かわかりやすく解説!目的や規制内容、罰則について
3. 特定商取引法:違法や悪質行為の防止
通販型の化粧品販売や定期購入では、特定商取引法への対応も重要です。特定商取引法では、通信販売における事業者情報、販売価格、支払方法、返品条件、解約条件などの表示が求められます。
特に定期購入では、以下の表示が分かりにくいとトラブルにつながる可能性があります。
- 初回価格
- 2回目以降の価格
- 支払総額
- 契約期間
- 継続回数
- 解約条件
- 返品条件
例えば、「初回500円」と大きく表示しながら、複数回の継続購入が条件であることを小さく表示している場合、消費者が契約内容を誤認する可能性があります。
化粧品広告では、キャッチコピーだけでなく、LP全体の表示設計まで確認することが重要です。
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薬機法における化粧品広告のルール
薬機法では、化粧品広告で表現できる効能効果の範囲が定められています。
化粧品広告では、「化粧品として認められた効能効果の範囲内か」「医薬品的な効能を想起させていないか」「効果や安全性を保証していないか」を確認することが重要です。
化粧品の定義
薬機法第2条第3項では、化粧品について、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、皮膚または毛髪を健やかに保つために使用されるもので、人体に対する作用が緩和なものと定義されています。
つまり、化粧品は美容や清潔保持を目的とした製品であり、病気の治療や予防を目的とするものではありません。
そのため、以下のような表現は化粧品広告では注意が必要です。
- 「ニキビを治す」
- 「シミを完全に除去する」
- 「アトピーを改善する」
- 「肌細胞を再生する」
広告制作では、化粧品として認められた範囲内で表現する必要があります。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
医薬部外品(薬用化粧品)との違い
医薬部外品は、厚生労働省が承認した有効成分を配合し、一定の効能効果が認められている製品です。化粧品よりも表現できる範囲が広い場合がありますが、広告で訴求できるのは承認された効能効果の範囲内に限られます。
例えば、薬用化粧品では、承認内容に応じて以下のような表現が可能な場合があります。
- ニキビを防ぐ
- 肌荒れを防ぐ
- メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ
- フケ・かゆみを防ぐ
- 育毛を促進する
ただし、医薬部外品であっても、「ニキビを治す」「シミが消える」「必ず発毛する」といった治療的・断定的な表現は認められません。
広告では、承認内容と広告表現が一致しているかを確認することが重要です。
化粧品広告で表現できる効能・効果の範囲【56種類】
化粧品広告では、表現できる効能効果の範囲が限定されています。
化粧品で標榜できる効能効果は、いわゆる「56種類」の範囲内に収める必要があります。これは、化粧品が医薬品のような治療効果ではなく、清潔・美化・健やかに保つことを目的とする製品であるためです。
表現例は以下の通りです。
- 頭皮、毛髪を清浄にする。
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
- 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
- 毛髪にはり、こしを与える。
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
- 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
- 毛髪をしなやかにする。
- クシどおりをよくする。
- 毛髪のつやを保つ。
- 毛髪につやを与える。
- フケ、カユミがとれる。
- フケ、カユミを抑える。
- 毛髪の水分、油分を補い保つ。
- 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
- 髪型を整え、保持する。
- 毛髪の帯電を防止する。
- (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。
- (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)。
- 肌を整える。
- 肌のキメを整える。
- 皮膚をすこやかに保つ。
- 肌荒れを防ぐ。
- 肌をひきしめる。
- 皮膚にうるおいを与える。
- 皮膚の水分、油分を補い保つ。
- 皮膚の柔軟性を保つ。
- 皮膚を保護する。
- 皮膚の乾燥を防ぐ。
- 肌を柔らげる。
- 肌にはりを与える。
- 肌にツヤを与える。
- 肌を滑らかにする。
- ひげを剃りやすくする。
- ひげそり後の肌を整える。
- あせもを防ぐ(打粉)。
- 日やけを防ぐ。
- 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
- 芳香を与える。
- 爪を保護する。
- 爪をすこやかに保つ。
- 爪にうるおいを与える。
- 口唇の荒れを防ぐ。
- 口唇のキメを整える。
- 口唇にうるおいを与える。
- 口唇をすこやかにする。
- 口唇を保護する。口唇の乾燥を防ぐ。
- 口唇の乾燥によるカサツキを防ぐ。
- 口唇を滑らかにする。
- ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯を白くする(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯垢を除去する(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 口中を浄化する(歯みがき類)。
- 口臭を防ぐ(歯みがき類)。
- 歯のやにを取る(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 歯石の沈着を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)。
- 乾燥による小ジワを目立たなくする。
このように、化粧品で認められるのは、あくまで美容や清潔保持を目的とした穏やかな表現です。
一方で、「シワを消す」「シミを消す」「肌細胞を再生する」「ニキビを治す」といった表現は、化粧品の効能効果の範囲を超える可能性があります。
NG
「シワが消える美容液」
問題点
シワの解消を断定しており、化粧品の効能効果の範囲を超える可能性があります。
推奨
「乾燥による小ジワを目立たなくする美容液」
判定ポイント
「治す」「消す」「再生する」ではなく、化粧品として認められた効能効果の範囲で表現できているか確認しましょう。
医薬部外品の効能・効果で表現が認められている範囲
厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」では、医薬部外品は、承認された効能効果の範囲内で広告表現を行う必要があります。化粧品より広い表現が認められる場合がありますが、承認範囲を超える表現や、医薬品のような治療効果を示す表現は認められません。
医薬部外品で認められている代表的な効能・効果の例は以下のとおりです。
- 肌荒れを防ぐ
- あれ性を防ぐ
- あせも・しもやけ・ひび・あかぎれを防ぐ
- ニキビを防ぐ
- 油性肌を整える
- 日やけ・雪やけ後のほてりを防ぐ
- 肌をひきしめる
- 肌を整える
- 皮膚を清浄にする
- 皮膚をすこやかに保つ
- 皮膚にうるおいを与える
- 肌を保護する
- 乾燥を防ぐ
- 毛髪・頭皮を清浄にする
- 毛髪・頭皮をすこやかに保つ
- 毛髪にはり・こしを与える
- フケ・かゆみを防ぐ
- 育毛
- 養毛
- 脱毛の予防
- 発毛促進
- 染毛
- パーマを保持する
- わきが・体臭を防ぐ
- 制汗
- 口臭を防ぐ
- 歯を白くする
- 虫歯を防ぐ
- 歯石の沈着を防ぐ
- 歯肉炎を防ぐ
- 殺菌・消毒
- 清浄作用による体臭予防
ただし、上記の表現であっても、すべての医薬部外品で自由に使えるわけではありません。実際に広告で表示できるのは、各製品が承認を受けた効能効果の範囲内です。
NG
「この薬用クリームでニキビが治ります」
問題点
治療効果を断定しており、医薬品的な表現と判断される可能性があります。
推奨
「ニキビを防ぐ薬用クリーム」
判定ポイント
医薬部外品は「承認された効能効果の範囲内」で表現できているか確認しましょう。
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薬機法において禁止・制限されている化粧品広告の表現
化粧品広告では、実際以上の効果を示す虚偽・誇大表現や、医薬品のような治療効果を想起させる表現は禁止されています。
特に注意が必要なのは、効能効果の保証、安全性の断定、未承認効能の表現、医療関係者の推薦、体験談やビフォーアフター画像の使い方です。
ここでは、化粧品広告で問題になりやすい禁止・制限表現を具体的に解説します。
「効能効果・安全性の保証」の禁止と違反表現
化粧品広告では、「必ず効く」「絶対安全」など、効能効果や安全性を保証する表現は避ける必要があります。消費者は美容効果や肌への安全性を重視して商品を選ぶため、断定的な表現は実際以上の期待を抱かせる可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「100%シミが消える」
- 「副作用ゼロ」
- 「必ず若返る」
- 「絶対に肌荒れしない」
- 「誰でも効果を実感」
NG
「使うだけで10歳若返る」
問題点
年齢変化の改善や若返り効果を断定的に表現しており、化粧品として認められる効能効果の範囲を超える可能性があります。
推奨
「肌にうるおいを与え、ハリのある印象へ導く」
判定ポイント
「若返る」「老化を止める」「年齢を巻き戻す」など、身体機能の改善や変化を断定する表現になっていないか確認しましょう。
「製造方法・成分の虚偽・誇大表現」の禁止と違反表現
化粧品広告では、成分や製法についても、消費者に誤認を与える表現は避ける必要があります。
例えば、実際には一部の添加物を使用しているにもかかわらず「完全無添加」と表示したり、根拠が不明確なまま「医療レベル成分配合」と表示したりすると、薬機法や景品表示法上の問題が生じる可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「完全無添加」
- 「天然成分100%」
- 「医療レベル成分配合」
- 「世界最高品質」
- 「安全性が証明された成分だけを使用」
NG
「医療レベル成分を配合」
問題点
医療機関や医薬品と同等の効果・品質を想起させる可能性があります。根拠が不明確な場合、消費者に誤認を与えるおそれがあります。
推奨
「保湿成分〇〇を配合」
判定ポイント
成分名、配合目的、根拠資料を確認し、実際以上の品質を印象づけていないか確認しましょう。
「医療関係者等の推薦」の禁止と違反表現
化粧品広告では、医師や専門家による推薦表現にも注意が必要です。医療関係者の権威を利用して商品の効能効果や安全性を強調すると、消費者に医薬品のような印象を与える可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「医師推奨だから安心」
- 「美容外科医が認めた化粧品」
- 「皮膚科医が効果を保証」
- 「専門医も驚いた効果」
- 白衣姿の人物による効能効果の強調
NG
「皮膚科医が効果を保証」
問題点
医療関係者の権威によって効能効果を保証しているように見え、消費者に過度な期待を与える可能性があります。
推奨
「敏感肌の方にも使いやすい処方設計」
判定ポイント
専門家や医療関係者の表現が、効能効果や安全性の保証に見えていないか確認しましょう。
「他社製品の誹謗広告」の禁止と違反表現
化粧品広告では、他社商品を不当に貶める比較広告は禁止されています。特定の商品や企業について根拠なく否定的な表現を行うと、消費者に誤解を与えるだけでなく、公正な競争を阻害するおそれがあります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「他社製品は危険」
- 「〇〇社の商品は効果なし」
- 「一般的な化粧品は肌に悪い」
- 「他社より圧倒的に安全」
- 「市販品では意味がない」
NG
「他社製品は肌に悪い」
問題点
客観的根拠がない場合、他社製品を不当に貶める表現と評価される可能性があります。
推奨
「当社独自の保湿設計で、うるおいを守ります」
判定ポイント
他社を否定するのではなく、自社商品の特徴を客観的に伝えているか確認しましょう。
「未承認効能の表現」の禁止と違反表現
化粧品広告では、化粧品として認められていない効能効果を訴求することは禁止されています。化粧品は、肌や毛髪を清潔に保ち、美化し、健やかに保つための製品であり、疾病の治療や予防を目的とするものではありません。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「アトピー改善」
- 「肌細胞を再生」
- 「シミを完全に除去」
- 「ニキビを治す」
- 「炎症を抑える」
- 「老化を止める」
NG
「シミを除去する美容液」
問題点
シミの除去という治療的な効果を示しており、化粧品の効能効果の範囲を超える可能性があります。
推奨
「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ美容液」
判定ポイント
「除去する」「治す」「改善する」など、医薬品的な効能を示す表現になっていないか確認しましょう。
「不安や恐怖を与える表現」の禁止と違反表現
化粧品広告では、消費者の不安や恐怖を過度にあおる表現にも注意が必要です。身体や容姿に関する不安を強調しすぎる広告は、消費者に心理的負担を与え、合理的な判断を妨げる可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「このままだと10年後に老化します」
- 「使わないと危険」
- 「今すぐ対策しないと手遅れ」
- 「放置すると取り返しがつかない」
- 「その肌、周囲から老けて見られています」
NG
「今すぐ使わないと手遅れになります」
問題点
不安を過度にあおり、冷静な購買判断を妨げる可能性があります。
推奨
「毎日のスキンケアで、肌をすこやかに保ちましょう」
判定ポイント
恐怖訴求ではなく、前向きで客観的な表現になっているか確認しましょう。
「体験談」の制限と違反表現
化粧品広告では、口コミや体験談であっても、効能効果を保証するように受け取られる表現には注意が必要です。「個人の感想」であっても、広告内で使用する場合は、消費者が「自分にも同じ効果が出る」と誤認する可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「3日でシワが消えました」
- 「ニキビが完治しました」
- 「使った翌日に10歳若く見られました」
- 「これだけでシミがなくなりました」
- 「誰でも同じように実感できます」
NG
「3日でシワが消えました」
問題点
効能効果や即効性を断定的に示しており、化粧品として認められる範囲を超える可能性があります。 推奨
「使い心地がよく、肌にうるおいを感じました」
判定ポイント
体験談が効能効果の保証や治療効果の訴求になっていないか確認しましょう。
関連記事:ステマ規制とは?対象となるケースや違反事例、罰則などをわかりやすく解説
「使用前後の写真・画像の使用」の制限と違反表現
化粧品広告における使用前後の写真やビフォーアフター画像は、商品の効果を視覚的に伝えやすい一方で、誤認リスクが高い表現です。画像加工、照明、角度、メイク、表情、撮影条件の違いによって、実際以上の変化を印象づける可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- シミやシワが消えたように見せる画像
- 短期間で劇的に変化したように見せる比較
- メイクや照明で肌状態を変えて見せる演出
- 画像加工で肌悩みを消す表現
- 使用前後で撮影条件が異なる画像
NG
「使用7日後」として、シミが消えたように見える画像を掲載する
問題点
化粧品で認められる範囲を超える効果を印象づける可能性があります。
推奨
「使用感のイメージ」として、商品のテクスチャーや仕上がり感を示す
判定ポイント
画像が効能効果を過度に示していないか、撮影条件に差がないか確認しましょう。
「臨床データや実験結果の使用」の制限と違反表現
化粧品広告で実験データや調査結果を掲載する場合は、客観性と合理的根拠が必要です。調査対象人数、実施期間、試験条件、評価方法を示さずに結果だけを強調すると、消費者に実際以上の効果を印象づける可能性があります。
注意が必要な表現には、以下があります。
- 「満足度99%」とだけ表示する
- 調査対象や調査期間を示さない
- 自社に有利なデータだけを抜粋する
- 少人数の結果を一般化する
- 試験条件を表示しないまま効果を強調する
NG
「満足度99%」
問題点
調査対象、調査期間、調査方法が不明確な場合、消費者に実際以上の評価を受けていると誤認させる可能性があります。
推奨
「自社調査:20代〜40代女性100名、使用感に関するアンケート、2026年1月実施」
判定ポイント
データを使う場合は、調査条件と根拠資料を明示できるか確認しましょう。
化粧品広告で法令違反しないためのポイント
化粧品広告に関する法令やガイドラインへ適切に対応するためには、社内ルールの整備と継続的な運用体制の構築が重要です。薬機法や景品表示法に加え、業界団体が公表するガイドラインなども踏まえながら、広告表現に関する確認基準を明確化することが求められます。
具体的には、広告公開前に内容を確認するための広告審査フローを整備し、社内の関係部署や制作会社、広告代理店などと運用ルールを共有することが重要です。また、行政機関や業界団体が公表する情報を定期的に確認し、法令やガイドラインの更新内容を広告運用へ反映していくことも求められます。
さらに、社内研修や勉強会などを通じて、広告担当者や関係者が関連法令やガイドラインへの理解を深めることも重要です。継続的な情報共有を行うことで、広告表示に関する考え方や確認基準を組織内で共有しやすくなります。
近年では、広告表現の確認を支援するツールや、専門家による広告審査サービスを活用する企業もあります。こうした仕組みを活用しながら、自社に適した広告審査体制や運用フローを整備していくことが重要です。
関連記事:広告審査とは?基準や適用される法律、違反リスクを抑えるポイントを解説
広告審査代行サービスの導入で法令順守の強化に成功した事例
美容D2CメーカーA社では、美容液やドライヤーなど幅広い製品を展開する中で、景品表示法や薬機法への対応強化が課題となっていました。
広告審査は主に自社内で実施していたものの、広告数の増加に伴い、確認工数や担当者の負担が拡大していました。さらに、SNS広告やLP、動画広告など確認すべき媒体が増え、審査品質の維持と業務効率化の両立が求められていました。
そこで同社は、広告審査代行サービス「AdTRUST」を導入しました。専門家によるチェック体制を構築したことで、広告表現の精度向上と審査業務の効率化につながりました。
また、法令違反リスクの低減だけでなく、マーケティング施策のスピード向上にも寄与し、安心して広告運用を行える体制づくりを進めています。
関連記事:美容D2CメーカーA社様
まとめ
化粧品広告では、薬機法を中心に、景品表示法や特定商取引法など複数の法律への対応が必要です。
特に、効能効果の誇張、安全性の保証、医療関係者の推薦、未承認効能の表現、体験談、ビフォーアフター画像、臨床データの見せ方には注意が必要です。
化粧品は医薬品ではないため、広告で表現できる効能効果は限定されています。「治す」「消す」「再生する」といった表現ではなく、化粧品として認められた範囲内で、消費者に誤解を与えない表現を選ぶことが重要です。
法令違反リスクを抑えるには、ガイドラインの定期確認、社内審査フローの整備、制作会社や代理店とのルール共有、外部専門家の活用が有効です。法令順守を徹底しながら、消費者に信頼される広告運用を目指しましょう。
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参考情報・一次情報
- 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/
- 消費者庁:https://www.caa.go.jp/
- e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、法的助言を行うものではありません。個別の事案に関する判断や対応については、弁護士その他の専門家へご相談ください。
この記事の監修者

SORILaコンテンツ編集チーム
「SORILa」は、企業の抱えるWebリスク課題の解決に役立つ情報を発信するメディアです。独自の開発ノウハウにより、Web上での情報発信やブランディングを支援するサービスを開発している株式会社エフェクチュアルが運営しています。
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