景品表示法違反により科せられる5つの罰則と事例集|通報からの調査方法も
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「顧客満足度No.1」「今だけ半額」「利用者数業界トップクラス」──広告の公開前に、この表現は本当に問題ないのだろうかと悩んだ経験はないでしょうか。景品表示法違反は、大企業だけの問題ではありません。SNS広告やECサイト、LPなど日常的な販促活動の中にもリスクは潜んでいます。
本記事では、景品表示法違反で企業が受ける5つの措置・罰則、実際の事例、違反を防ぐためのポイントまで分かりやすく解説します。
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに作成しています。法改正や運用変更が行われる場合があるため、最新情報は消費者庁のウェブサイトをご確認ください。
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景品表示法とは?
景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)は、消費者が商品やサービスを適切に選択できる環境を整備するために制定された法律です。
事業者が実際よりも優れた品質や効果を強調したり、実際よりも有利な取引条件であるかのように表示したりすると、消費者の合理的な商品選択が妨げられる可能性があります。そのため景品表示法では、不当な表示や過大な景品提供を規制しています。
近年はテレビや新聞だけでなく、以下のような媒体も規制対象として重要性が高まっています。
- 自社サイト
- ランディングページ(LP)
- SNS広告
- 動画広告
- インフルエンサーマーケティング
- アフィリエイト広告
- 比較サイト
- ECモール商品ページ
また、2023年10月にはステルスマーケティング規制が導入され、広告であることを明示しない投稿についても規制対象となりました。
広告運用担当者だけでなく、広報、営業、経営層を含めた組織全体でのコンプライアンス対応が求められる時代になっています。
関連記事:景品表示法とは何かわかりやすく解説!目的や規制内容、罰則について
景品表示法に違反した企業数の推移
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消費者庁が公表している景品表示法に基づく法的措置件数を見ると、近年も継続的に措置命令等が行われています。
特にEC市場やSNS広告市場の拡大に伴い、健康食品、化粧品、通信販売、サブスクリプションサービス、インターネット関連サービスなどの分野では広告表現に対する監視が強化されています。
例えば、年商10億円規模の企業が景品表示法違反による課徴金納付命令を受けた場合、対象売上によっては数千万円規模の負担が発生する可能性があります。さらに、行政処分そのものよりも企業名公表による信用低下や取引先対応の負担を懸念する企業も少なくありません。
近年は消費者によるSNS発信や口コミサイトの影響力も大きくなっており、行政対応とレピュテーションリスクの両面から対策が求められています。
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景品表示法違反となる2つの禁止事項
景品表示法では、大きく分けて「不当表示に関する規制」と「景品類に関する規制」の2つが規制対象となっています。 ここでは、この2つの禁止事項について具体例と共に解説していきます。
1. 不当表示に関する規制
不当表示とは、商品やサービスの品質・価格・内容などについて、事業者が消費者に実際よりも優良または有利であると誤認させる表示を指します。
景品表示法第5条では、「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他誤認されるおそれのある表示」の3類型が規定されています。
①優良誤認表示
優良誤認表示とは、商品やサービスの品質・性能・効果について、実際よりも著しく優れていると消費者に誤認されるおそれのある表示です。「絶対に痩せる」「必ず効果が出る」「業界No.1の効果」など、客観的な根拠がないまま性能や効能を断定する表現は、景品表示法違反となる可能性があります。
また、実際には含まれていない成分を強調したり、十分な比較根拠がないにもかかわらず他社商品より優れているように見せる比較広告にも気を付ける必要があります。
例えば以下のような表現には注意が必要です。
NG
「飲むだけで必ず痩せるサプリメント」
問題点
効果を断定しており、合理的根拠を示せない場合は優良誤認表示と判断される可能性があります。
推奨
「食事管理や運動とあわせて利用されているサプリメント」
判定ポイント
効果を断定していないか、客観的根拠資料を保有しているかを確認することが重要です。
これらの表現が直ちに違反となるわけではありませんが、表示内容を裏付ける合理的根拠資料を提示できない場合、問題となる可能性があります。
②有利誤認表示
有利誤認表示とは、価格や取引条件について、実際よりも著しく有利であると消費者に誤認されるおそれのある表示です。「今だけ半額」と表示しながら通常時と同じ価格で販売していたり、実際には販売実績のない架空の通常価格を設定して、大幅値引きのように見せるケースなどには注意する必要があります。
また、「送料無料」と記載しながら別途手数料が発生する場合や、「期間限定」と強調しながら長期間同じ条件で販売を続けているケースも景品表示法違反とされる可能性があります。
代表的な例として、以下が挙げられます。
NG
「本日限定50%OFF」
問題点
実際には長期間同条件で販売している場合、有利誤認表示と評価される可能性があります。
推奨
「2026年6月30日までのキャンペーン価格」
判定ポイント
適用条件・対象期間・追加費用の有無などが明確に表示されているか確認することが重要です。
例えば「通常価格10万円→今だけ5万円」と表示していても、10万円で販売された実績が十分に確認できない場合などは問題となる恐れがあります。
③その他の不当表示
優良誤認表示や有利誤認表示以外にも、消費者の自主的かつ合理的な選択を妨げるおそれがある表示は規制対象となる場合があります。
代表例として挙げられるのがステルスマーケティングです。
企業から対価を受け取ったインフルエンサーが広告であることを明示せずに商品を紹介した場合などは、ステマ規制の対象となる可能性があります。
また、
- 根拠のない口コミ掲載
- 架空レビュー
- 実在しない利用実績
- 誤認を招くランキング表示
なども注意が必要です。
企業としては、表示根拠の保管や社内審査体制の整備、定期的な法令教育を実施することが望ましいとされています。
関連記事:ステマ規制とは?対象となるケースや違反事例、罰則などをわかりやすく解説
2. 景品類に関する規制
景品表示法では広告表示だけでなく、景品類の提供についても規制されています。
過度に高額な景品が提供されると、消費者が商品やサービスそのものではなく景品の価値によって購入を判断する可能性があるためです。
主な規制区分は、一般懸賞、共同懸賞、総付景品(ベタ付け景品)の3種類です。それぞれ景品の最高額や総額について基準が設けられています。
近年では、
- SNSキャンペーン
- フォロー&リポスト企画
- インフルエンサー施策
- オンライン抽選企画
なども景品規制との関係で検討が必要になるケースがあります。
企業がキャンペーンを実施する際は、景品額の基準を確認するだけでなく、応募条件や当選条件を分かりやすく表示し、必要に応じて事前に法務部門や専門家へ確認するなど、適切な運用を心がけることが重要です。
景品表示法に違反した場合の5つの罰則
景品表示法に違反した場合、企業にはさまざまな罰則や行政処分が科される可能性があります。さらに、罰則だけでなく、 企業名の公表によるレピュテーションリスク、取引先からの信用低下、SNSでの拡散など、事業活動全体へ影響が及ぶ危険性があります。
ここでは、企業が把握しておきたい5つの主な措置・罰則について解説します。
関連記事:【弁護士コラム】類型別-SNSにおける企業炎上とその対策
【罰則1】措置命令
措置命令とは、消費者庁が景品表示法違反を認定した事業者に対して行う行政処分です。
主な内容としては、
- 不当表示の取りやめ
- 再発防止策の実施
- 社内管理体制の見直し
- 消費者への周知
などが求められます。
特に企業担当者が注意したいのは、措置命令の内容だけではありません。
消費者庁の公式サイトで企業名や違反内容が公表されるため、企業ブランドや社会的信用へ影響を及ぼす可能性があります。近年はニュースサイトやSNSを通じて情報が拡散されやすく、行政処分以上に企業イメージへの影響を懸念する企業も少なくありません。
措置命令の対象となるケース
措置命令の対象となる可能性があるのは、商品やサービスについて実際より著しく優れているように見せる「優良誤認表示」、価格や取引条件を実際より有利に見せる「有利誤認表示」、広告であることを明示せずに宣伝を行う「ステルスマーケティング規制違反」、景品類の提供額が法令上の上限を超える「景品類規制違反」など が行われた場合です。
消費者庁は、広告やWebサイト、LP、SNS投稿、チラシなどを調査し、違反の疑いがある場合には事業者に対して資料提出や事情聴取を実施したうえで、必要に応じて措置命令を行います。
景品表示法違反により措置命令を受けた事例
健康食品で効果を誇張した事例
健康食品の広告で、「飲むだけで簡単に痩せる」「運動不要でダイエット効果がある」などと表示して販売していたケースがあります。
事業者は合理的根拠資料の提出を求められましたが、十分なデータを示せなかったため、優良誤認表示に該当するとされ、措置命令の対象となりました。健康食品や美容関連商品の広告では、効果効能を強調しすぎる表現に特に注意が必要です。
また、このようなケースでは、表示の修正だけでなく再発防止策の提出が求められることがあります。
「今だけ半額」と表示していたECサイト
ECサイトで「期間限定半額セール」「通常価格から50%OFF」と表示していたにもかかわらず、実際には通常価格で販売された実績がほとんどなかった事例です。
消費者に対して著しくお得であると誤認させる表示と判断され、有利誤認表示として措置命令が行われました。近年は、通販サイトやサブスクリプションサービスを中心に、価格表示やキャンペーン表現への監視が強化されています。
特に、架空の通常価格を設定する「二重価格表示」は典型的な違反事例として知られています。
No.1表示に根拠がなかった比較広告
「顧客満足度No.1」「売上No.1」などと表示していたサービス事業者が、合理的な調査根拠を示せず、消費者庁から措置命令を受けた事例もあります。
広告では、第三者機関による客観的な調査結果に基づくような表現が用いられていましたが、実際には調査対象や方法が不十分で、表示内容を裏付ける根拠として認められませんでした。
近年は、WebサイトやLP、比較サイトなどで「No.1表示」を用いる企業が増えていますが、調査方法や対象範囲が適切でなければ、景品表示法上の優良誤認表示に該当する可能性があります。特に、消費者に“業界で最も優れている”という印象を与える表現は影響力が大きいため、客観的なデータに基づいた表示が求められています。
【罰則2】課徴金納付命令
課徴金納付命令は、不当表示によって得た売上に応じて、事業者に金銭の納付を命じる制度です。
主に優良誤認表示や有利誤認表示が対象となり、消費者を誤認させる広告によって得た経済的利益を返還させる目的で導入されています。
課徴金額は、違反表示を行っていた対象商品の売上額に対して原則4.5%を乗じて算出され、例えば、対象売上が10億円の場合、単純計算で4,500万円規模となる可能性があります。これは多くの企業における年間広告予算に匹敵する金額であり、経営上のインパクトは小さくありません。
なお、課徴金額が225万円未満の場合は課徴金納付命令の対象外となるなど、個別の算定方法や適用要件は事案ごとに異なります。
課徴金納付命令の対象となるケース
課徴金納付命令の対象となる可能性があるのは、景品表示法に違反する「優良誤認表示」や「有利誤認表示」を行い、その表示によって商品・サービスを販売していたケースです。消費者庁は、不当表示によって消費者の商品選択に影響を与え、事業者が経済的利益を得ていたと判断した場合、課徴金の納付を命じることがあります。
課徴金額は、違反表示を行っていた期間中の対象売上額に原則4.5%を乗じて算出されるため、全国規模で販売していた商品や長期間掲載されていた広告では、多額の負担となる可能性があります。
景品表示法違反により課徴金納付命令を受けた事例
自動車メーカーによる「標準装備」表示の事例
ある自動車メーカーは、SUV車両の広告やカタログにおいて、本来は追加料金が必要なオプション装備を「標準装備」であるかのように表示していました。
また、一部グレードについても、実際以上に高性能であると受け取られる表現を用いていました。これにより、消費者に対して実際より品質や性能が優れていると誤認させる表示であるとして、景品表示法上の「優良誤認表示」に該当すると判断され、当時としては過去最高額となる約12億円超の課徴金納付命令が出されました。
空間除菌商品の効果表示の事例
ある企業は、空間除菌商品について「浮遊ウイルスを除去」「空間の菌を除菌」などと広告表示し、消費者に高い除菌効果があるかのように訴求して販売していました。
しかし、消費者庁が表示の根拠となる資料の提出を求めたところ、実際の使用環境において表示どおりの効果を裏付ける合理的な根拠が十分ではないと判断されました。そのため、実際以上に商品の性能が優れていると消費者に誤認させる「優良誤認表示」に該当すると認定され、約6億円の課徴金納付命令が出されました。
「No.1」広告表示を行ったWi-Fiサービスの事例
あるWi-Fiレンタルサービス事業者は、広告において「利用者数No.1」「顧客満足度No.1」などと表示し、自社サービスが業界で最も高い評価を受けているかのように宣伝していました。
しかし、その根拠となる調査は、実際の利用者への調査ではなく、一般消費者によるイメージ調査に基づくものであり、客観性や合理性に欠けていました。そのため、消費者に対して実際以上に優れた実績や評価があると誤認させる表示であるとして、景品表示法上の「優良誤認表示」に該当すると判断され、結果として、約1.7億円の課徴金納付命令が出されました。
【罰則3】適格消費者団体による差止請求
適格消費者団体とは、内閣総理大臣の認定を受けた消費者団体であり、消費者被害の未然防止や拡大防止を目的として活動しています。これらの団体は、事業者による不当な表示や勧誘行為、契約条項などが消費者の利益を害すると判断した場合、事業者に対してその行為の停止や改善を求めることができます。
企業がこうした要請に応じない場合には、適格消費者団体によって裁判所へ差止請求訴訟が提起される可能性があります。
差止請求は消費者庁による措置命令などの行政処分とは異なる制度ですが、訴訟の提起や結果が公表されることで、企業名の公開、社会的信用の低下、広告やWebサイトの修正・停止対応などにつながるケースもあります。そのため、事業者には日頃から広告表示や勧誘内容の適法性を確認し、法令遵守の体制を整備しておくことが求められます。
差止請求の対象となるケース
消費者に誤解や不利益を与えるおそれのある事業者の行為は、適格消費者団体による差止請求の対象となる可能性があります。具体的には、商品やサービスについて実際より著しく優良であると見せる「優良誤認表示」や、実際より有利であると誤認させる「有利誤認表示」など、景品表示法に違反する広告表示が該当します。
また、消費者契約法に違反する不当な契約条項や、誤認を招く勧誘行為なども対象になるおそれがあります。適格消費者団体は、こうした行為によって消費者被害が拡大することを防ぐため、事業者に対して表示や勧誘の中止・改善を求めることができます。改善が行われない場合には、裁判所へ差止請求訴訟を提起することも可能です。
景品表示法違反により差止請求を受けた事例
科学的根拠のない医療広告に対し差止請求が提起された事例
ある医療クリニックでは、再生医療や免疫療法について、公式サイトやSNS上で「高い治療効果が期待できる」といった広告表示を行っていました。しかし、これらの表示には十分な科学的根拠がないとして、適格消費者団体から差止請求訴訟を提起されました。
問題となったのは、実際以上に治療効果や安全性が高いと消費者に誤認させる表示であり、景品表示法上の「優良誤認表示」に該当すると指摘された点です。
事業者側は広告修正を表明したものの改善が進まず、最終的に訴訟へ発展しました。この事例は、医療広告に対しても適格消費者団体による差止請求が行われることを示した事例として注目されています。
【罰則4】刑事罰
景品表示法では、不当表示や景品類規制違反に対して行政上の措置だけでなく、一定の場合には刑事罰も規定されています。
特に注意が必要なのが、消費者庁による措置命令に従わなかった場合です。
措置命令違反が認定されると、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。また、違反行為を行った法人についても、個人とは別に罰金刑の対象となる場合があります。
さらに、消費者庁による調査に対して虚偽の報告を行ったり、立入検査を妨害したり、正当な理由なく資料提出や事情聴取に応じなかったりするなど、行政調査への非協力行為についても刑事罰が適用される可能性があります。そのため、事業者は景品表示法を遵守するだけでなく、行政機関による調査や指導に対しても誠実かつ適切に対応することが重要です。
景品表示法違反により刑事罰を受けた事例
措置命令に従わず刑事罰に発展した健康食品広告の事例
ある健康食品販売会社は、自社の商品について「飲むだけで大幅に痩せる」「医学的に効果が証明されている」などと広告表示を行い販売していました。
しかし、実際には表示を裏付ける十分な科学的根拠が存在せず、消費者に実際以上の効果があると誤認させる内容であったことから、景品表示法上の「優良誤認表示」に該当すると判断されました。さらに、消費者庁からの措置命令に従わず不適切な表示を継続したため、刑事告発が行われ、関係者が罰金刑を受ける事態となりました。
この事例は、行政処分に従わない場合には刑事罰へ発展する可能性があることを示す代表的なケースです。
【罰則5】直罰規定
2024年の景品表示法改正では、悪質な不当表示への対応を強化するため、新たに直罰規定が導入されました。直罰規定とは、一定の悪質な違反行為について、消費者庁による措置命令を経ることなく、刑事罰の対象となる可能性がある制度です。
特に、事業者が故意に商品やサービスの品質・内容を実際より著しく優れているように表示する「優良誤認表示」や、価格・取引条件を実際より著しく有利であるように表示する「有利誤認表示」を行った場合、100万円以下の罰金が科される可能性があります。
これにより、悪質な広告表示に対する抑止力が高まる一方で、企業にはより厳格な広告審査や表示管理が求められます。ただし、実際に直罰規定が適用されるかどうかは、違反の内容や故意の有無など、個別事案ごとに判断されるため、最新の法令や行政運用を確認しながら対応することが重要です。
景品表示法違反により直罰規定を受けた事例
根拠のない「除菌効果」表示が直罰規定の対象となる可能性がある事例
ある衛生用品販売事業者は、自社の除菌スプレーについて「ウイルスを99%除去できる」などと広告表示して販売していました。
しかし、実際にはその効果を裏付ける十分な試験データや科学的根拠が存在せず、消費者庁から不当表示の疑いが指摘されました。この表示は、商品の性能や効果について実際より著しく優れていると消費者に誤認させるものであり、景品表示法上の「優良誤認表示」に該当すると判断されました。
2024年の法改正により導入された直罰規定では、悪質な不当表示について行政処分を待たずに刑事罰を科すことが可能となっており、本件のような故意性の高いケースは直罰の対象となるリスクがあります。
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景品表示法違反を疑われた際の調査方法
景品表示法違反は、消費者庁や都道府県による調査によって認定される場合があります。「行政から連絡が来るのは大手企業だけ」と考える担当者もいますが、実際には企業規模を問わず調査対象となる可能性があります。
特に近年は、SNS広告やECサイト、動画広告などデジタル媒体への監視が強化されており、オンライン上の表示も重要なチェック対象となっています。
職権探知や消費者からの通報により違反が発覚する
景品表示法違反が発覚する主なきっかけには、「職権探知」と「消費者からの通報」があります。
職権探知とは、消費者庁や都道府県などの行政機関が、自ら広告や販促活動を監視・調査し、景品表示法違反の疑いを発見することを指します。事業者への通報や消費者からの苦情がなくても、行政機関の判断によって調査が開始される場合があります。
調査対象となる媒体は幅広く、自社サイトやLP(ランディングページ)、SNS広告、動画広告、比較サイト、ECモールの商品ページ、インフルエンサーによる投稿などが含まれます。行政機関は日常的に広告表示の内容を確認しており、商品・サービスの品質や効果、価格、取引条件などについて消費者に誤解を与える可能性がある表示を発見した際には、資料提出の要請や事情聴取などの調査を実施する場合があります。
また、景品表示法違反が発覚するきっかけとして、近年特に増加しているのが消費者からの通報です。商品やサービスを利用した消費者が、広告や表示内容に疑問や不満を感じた場合、その情報が消費者庁や都道府県などの行政機関へ寄せられることがあります。
例えば、「広告で説明されていた内容と実際の商品・サービスが異なる」「期待していた効果が得られない」「割引やキャンペーンの条件が分かりにくい」といった声が寄せられた場合、行政機関が事実関係を確認し、必要に応じて調査を開始するケースがあります。
調査の流れ
景品表示法違反被疑事件の調査は、一般的には次のような流れで進みます。
STEP1 違反の疑いを把握
行政機関が通報や監視活動を通じて疑義を認識します。
↓
STEP2 資料提出要請
事業者に対し、広告資料、表示根拠資料、調査データなどの提出が求められる場合があります。
特に、「No.1」「満足度」「効果」「除菌」「ダイエット」などの表現では合理的根拠資料の提出が求められることがあります。
↓
STEP3 事情聴取・確認
行政機関が表示内容と提出資料を確認します。
↓
STEP4 行政判断
調査結果に応じて、
- 措置命令
- 課徴金納付命令
- 確約手続
- 指導
などが検討されます。
参照:景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?
景品表示法に違反しないための対策
景品表示法に違反しないためには、広告表示の根拠資料を事前に準備し、社内で法務チェック体制を整備することが重要です。
特にSNS広告やLP、インフルエンサー施策などデジタル広告は監視対象となるため、優良誤認表示や有利誤認表示に注意する必要があります。ここでは、企業が実施すべき具体的な対策や再発防止策について解説します。
景品表示法に関する正しい知識を身につける
広告審査や表示チェックを特定の担当者だけに任せている企業も少なくありません。しかし、景品表示法違反のリスクを適切に管理するためには、営業部門や広報・マーケティング部門、さらには経営層も含めて、景品表示法の基礎知識を理解しておくことが望ましいとされています。
特に、商品やサービスの品質・効果を実際より優れているように見せる「優良誤認表示」、価格や取引条件を実際より有利に見せる「有利誤認表示」、広告であることを明示しない「ステルスマーケティング規制」、根拠が求められる「No.1表示」、競合他社との比較に関する「比較広告」については、事業活動に関わる担当者が正しく理解しておくことが重要です。
また、「No.1表示」や効果効能表現には客観的根拠が必要となるため、ガイドラインや消費者庁の公表資料を定期的に確認し、最新の法改正や違反事例を把握しておくことが重要です。
関連記事:景品表示法ガイドラインの遵守すべきポイントや違反事例をわかりやすく解説
広告を出す前に入念に確認する
広告を出す前には、表示内容が景品表示法に違反していないか入念に確認することが重要です。特に「必ず効果が出る」「業界No.1」「今だけ最安値」などの表現は、優良誤認表示や有利誤認表示に該当するおそれがあります。
そのため、広告の文言や画像、注釈、比較対象、キャンペーン条件を事前にチェックし、表示内容を裏付ける客観的な資料を用意しておく必要があります。また、LP、SNS広告、動画広告、インフルエンサー投稿なども確認対象に含め、公開前に法務部門や外部専門家へ確認する体制を整えることも有効です。
社内での法令順守の体制を強化する
景品表示法に違反しないためには、社内での法令順守体制を強化することも重要です。具体的には、広告やキャンペーンを作成する際に、マーケティング部門だけで判断せず、法務部門やコンプライアンス担当者による確認を行う体制を整える必要があります。また、景品表示法に関する社内研修を定期的に実施し、優良誤認表示や有利誤認表示に関する理解を深めることも大切です。
さらに、広告表示の根拠資料を保管するルールを設けることで、万が一行政から説明を求められた際に迅速に提出できる体制が望まれます 。SNS広告やインフルエンサー施策など、外部委託先が関わる場合にも管理体制を整備し、継続的にチェックすることが重要です。
広告表示のプロに相談する
広告表示に関する専門家へ相談することも、有効なリスク管理策の一つです。特に、健康食品や美容関連商品、投資関連サービス、副業関連サービスなどは、表示内容が景品表示法上の問題として指摘される可能性があるため、社内だけで判断することが難しい場合があります。
例えば、「No.1表示」や効果・性能に関する訴求を行う際には、その表示を裏付ける客観的な根拠資料が求められるケースがあります。広告公開前の段階で、広告審査に詳しい弁護士や広告チェックの専門家へ相談し、表示内容や根拠資料の整理を行うことで、確認体制の強化につながる可能性があります。
また、景品表示法をはじめとする関連法令は制度改正や運用の見直しが行われることもあるため、最新の行政動向や公表事例に関する情報を継続的に収集することも重要です。専門家の知見を活用しながら広告審査体制を整備することで、継続的なコンプライアンス強化に取り組みやすくなります。
まとめ
景品表示法は、不当な広告表示や過大な景品提供を防止し、消費者が適切に商品・サービスを選択できる環境を守るための法律です。近年はSNS広告やインフルエンサーマーケティングの普及に伴い、企業が管理すべき表示媒体は大きく広がっています。
景品表示法違反が認定された場合には、行政処分の対象となる可能性があります。
しかし、企業にとって本当に大きな影響となるのは、行政処分そのものだけではありません。企業名公表やSNSでの情報拡散による信用低下は、長期的な事業活動にも影響を与えるリスクがあります。
広告表現のチェック体制や根拠資料管理を整備し、継続的なコンプライアンス対応を行うことが重要です。
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参考情報・一次情報
- 消費者庁:https://www.caa.go.jp/
- e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/
- 公正取引委員会:https://www.jftc.go.jp/
- 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法):https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、法的助言を行うものではありません。個別の事案に関する判断や対応については、弁護士その他の専門家へご相談ください。
この記事の監修者

SORILaコンテンツ編集チーム
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