薬機法における化粧品の定義とは?表示可能な表現56項目とルールを解説
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「どこまでが化粧品表現として認められるのか分からない」「他社表現を参考にしたが問題ないか不安」──LP公開前や広告審査のタイミングで、コピー表現の修正対応に追われた経験はありませんか。 特に化粧品広告では、「シミが消える」「毛穴がなくなる」といった医薬品的な表現が薬機法違反と判断される可能性があり、行政指導やSNSでの拡散につながるケースもあります。
本記事では、薬機法における化粧品の定義から、表示可能な56項目、NG表現、成分表示ルールまで整理して解説します。
※本記事は2026年5月時点の情報に基づいています。最新情報は厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
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薬機法(旧:薬事法)とは?
薬機法(医薬品医療機器等法)は、医薬品・医療機器・医薬部外品・化粧品といった人体に影響を与える製品について、その品質・有効性・安全性を確保するために定められた法律です。
特に広告領域では、消費者が商品を誤認することを防ぐ目的から、「虚偽・誇大広告」を防ぐ目的で厳しいルールが設けられています。 例えば、実際には医療的な効果がないにもかかわらず「シミが消える」「ニキビが治る」といった表現を行うと、医薬品的な効能を標ぼうしていると判断される可能性があります。
化粧品はあくまで「作用が緩和であること」が前提であり、「効果があってはいけない」という表現がよく使われるように、疾病の治療や改善を目的とする表現は原則として使用できません。そのため、広告制作時には、認められた効能範囲の中で適切に言い換えることが重要です。
関連記事:薬機法とは?薬事法との違いや規制対象、違反リスクをわかりやすく解説
薬機法における化粧品の定義とは?
薬機法第2条第3項では、化粧品について以下のように定義されています。
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
この定義において重要なのは、「目的」と「作用の強さ」です。化粧品は、清潔・美化・健やかに保つといった日常的なケアを目的としており、医薬品のように疾病の治療や改善を目的とするものではありません。また、「作用が緩和」とされていることから、身体に強い影響を及ぼすことを前提とした商品ではないことが分かります。
このため、「肌トラブルを治す」「シワを消す」といった表現は、化粧品の範囲を超える可能性があります。広告やパッケージを制作する際は、「人体への作用が緩和である」という前提を踏まえて表現を確認することが重要です。
化粧品・医薬部外品・医薬品の違い
区分 | 目的 | 効果範囲 | 代表表現 |
化粧品 | 美化・清潔・健やかに保つ | 穏やかな作用に限定 | 肌を整える、うるおいを与える、清潔にする |
医薬部外品 | 防止・衛生(有効成分による予防) | 一定の効果が認められている(予防レベル) | ニキビを防ぐ、体臭を防ぐ、フケ・かゆみを防ぐ |
医薬品 | 病気の治療・症状の改善 | 明確な治療・改善効果 | 治療する、改善する、症状を抑える |
化粧品・医薬部外品・医薬品は、目的と効果の範囲によって区別されています。化粧品はあくまで「美化・清潔・健やかに保つ」ことが目的であり、効果は穏やかな範囲に限定されます。
一方で医薬部外品は、有効成分を含み「防止」や「衛生」といった効果が認められています。例えば「ニキビを防ぐ」「体臭を防ぐ」などの表現が可能です。そして医薬品は、病気の治療や症状の改善を目的とするため、「治療」「改善」といった明確な効果効能を表示することができます。
例えば、化粧品では「肌を整える」は使用できますが、「ニキビを治す」は医薬品的な表現となる可能性があります。
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「ニキビを治す化粧水」
問題点
「治す」は疾病の治療効果を示す表現であり、化粧品の効能範囲を超える医薬品的な表現とみなされる可能性があります。
推奨
「肌を清潔に保つ化粧水」 「肌荒れを防ぐ(医薬部外品)」
判定ポイント
化粧品は「清潔にする」「美化する」「健やかに保つ」範囲で表現する必要があります。医薬部外品の場合は、承認された効能・効果の範囲内で「肌荒れを防ぐ」などの表現が可能です。
化粧品と医薬品の違いを理解せずに広告を制作すると、意図せず違反となるケースもあるため注意が必要です。
薬機法の対象となる商品
薬機法の対象となる化粧品には、日常的に使用されるさまざまな商品が含まれます。例えばスキンケアでは化粧水、乳液、美容液、クリームなどが該当します。ヘアケアではシャンプーやトリートメント、ヘアオイルなどが対象です。また、メイクアップ製品であるファンデーションや口紅、アイシャドウなども規制対象となります。
さらに、ボディケア用品としてハンドクリームや日焼け止めなども含まれます。これらの商品はすべて、表示や広告において薬機法のルールに従う必要があり、パッケージ記載義務や表現規制が適用されます。
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薬機法において表示可能な化粧品の効果効能【56項目】
化粧品で表示できる効果効能は、厚生労働省によって56項目に限定されています。この範囲を超える表現は、たとえ商品利用者の実感として存在していても、広告で使用できない可能性があります。
そのため、広告や販売ページを作成する際には、必ずこの範囲内に収まるように表現を調整する必要があります。
また、同じ意味であっても言い回しによっては違反となる可能性があるため、実務では「言い換え」のスキルが非常に重要になります。
頭皮、毛髪(16項目)
- 頭皮・毛髪を清浄にする
- 香りにより毛髪・頭皮の不快臭を抑える
- 頭皮・毛髪をすこやかに保つ
- 毛髪にはり・こしを与える
- 頭皮・毛髪にうるおいを与える
- 頭皮・毛髪のうるおいを保つ
- 毛髪をしなやかにする
- 毛髪につやを与える
- 毛髪につやを保つ
- フケ・かゆみを防ぐ
- 毛髪の水分・油分を補い保つ
- 裂毛・切毛・枝毛を防ぐ
- 髪型を整え、保持する
- 毛髪の帯電を防止する
- 毛髪のからまりを防ぐ
- 毛髪を補修する(※表現に注意が必要)
皮膚、肌(22項目)
- 皮膚を清浄にする
- 皮膚の汚れを落とす
- 皮膚を整える
- 皮膚のキメを整える
- 皮膚をすこやかに保つ
- 肌荒れを防ぐ
- 肌をひきしめる
- 皮膚にうるおいを与える
- 皮膚のうるおいを保つ
- 皮膚の水分・油分を補い保つ
- 皮膚を柔らげる
- 皮膚を保護する
- 皮膚の乾燥を防ぐ
- 日やけを防ぐ
- 日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ
- 皮膚の表面を滑らかにする
- 肌のキメを整える
- 化粧のりをよくする
- 皮膚の柔軟性を保つ
- 肌を明るく見せる
- 肌の状態を保つ
- 肌の清潔を保つ
香り(1項目)
- 芳香により気分をリフレッシュさせる
爪(3項目)
- 爪を保護する
- 爪にうるおいを与える
- 爪をすこやかに保つ
口唇(7項目)
- 唇の荒れを防ぐ
- 唇をすこやかに保つ
- 唇にうるおいを与える
- 唇のうるおいを保つ
- 唇を保護する
- 唇の乾燥を防ぐ
- 唇を滑らかにする
オーラルケア(7項目)
- 歯を白くする(物理的な清掃による)
- 歯垢を除去する
- 口中を浄化する
- 口臭を防ぐ
- 口中を爽快にする
- 歯のやにを除去する
- 歯石の沈着を防ぐ
乾燥による小ジワを目立たなくする(条件付き表示)
「乾燥による小ジワを目立たなくする」という表現は、化粧品で例外的に認められている効能表現の1つですが、使用する際には一定の条件を満たす必要があります。特に、効能評価試験を実施し、小ジワへの効果を客観的に確認していることが前提となります。企業独自の簡易的な検証ではなく、厚生労働省のガイドラインに沿った評価方法で確認することが重要です。
また、この表現を広告やパッケージで使用する際は、「※効能評価試験済み」といった注記をあわせて表示する必要があります。注記がないまま使用すると、消費者へ誤認を与える可能性があるため注意が必要です。
実務では、他社表現を参考に文言だけを流用してしまうケースもありますが、試験実施の有無や表示条件を満たしていない場合、違反と判断される可能性があります。特にECサイトやLPでは、注記を含めた表示方法や文脈全体まで確認しながら運用することが重要です。
薬機法において禁止されている表現
薬機法では、消費者へ誤認を与える可能性のある広告表現に注意が必要です。特に化粧品広告では、医薬品的な効果を示す表現や、即効性・効果保証を強調する訴求は慎重な判断が求められます。
化粧品はあくまで「肌や毛髪を健やかに保つ」ことを目的としているため、病気の治療や機能改善を目的としたような表現は使用できません。例えば、「治る」「改善する」「再生する」といった表現は、医薬品的な効能を連想させる可能性があります。
また、「即効」「瞬時」「たった1回で」といった即効性を強調する表現も規制の対象となる可能性があります。これらは短期間で確実な効果が得られる印象を与え、消費者に過度な期待を抱かせるため、誇大広告と判断される恐れがあります。同様に、「永久」「一生」「ずっと持続」といった持続性を保証する表現も、効果の程度を過剰に示すものとして規制対象となり得ます。
さらに、「No.1」「業界初」「唯一無二」などの比較優位表現についても注意が必要です。これらは客観的かつ合理的な根拠が明確に示せない場合、優良誤認表示に該当するリスクがあります。仮にデータがあったとしても、その調査方法や対象範囲が適切でなければ認められないケースもあるため、安易に使用すべきではありません。
加えて、体験談やレビュー表現にも規制があります。「誰でも効果が出る」「絶対に変わる」といった断定的な表現や、個人の感想を一般化する表現は規制対象となるケースがあります。体験談はあくまで個人の感想として扱う必要があり、効果を保証するような文脈での使用には注意が必要です。
具体的な違反事例としては、「塗るだけでシミが消える」「1週間で肌が若返る」「使ったその日から毛穴が消える」といった表現は、医薬品的効能や即効性を強く印象づける可能性があります。広告や販売ページを制作する際は、認められた効能範囲の中で、使用感や保湿、肌を整えるといった表現へ適切に言い換えることが重要です。
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薬機法における化粧品の成分表示について
化粧品の成分表示には、薬機法に基づくルールが設けられており、消費者が適切に商品を選択できるよう「全成分表示」が義務付けられています。配合されている成分は原則としてすべて記載する必要があり、表示順についても、配合量の多い順に並べることが求められています。これにより、消費者は配合成分の内容を一定程度把握しやすくなっています。
また、成分名には、日本化粧品工業会が定める「化粧品の成分表示名称リスト」に基づく表示名称を使用する必要があります。独自名称や誤認を招く表現は認められにくく、販売ページや広告表現との整合性も重要です。
特に「無添加」や「◯◯フリー」といった表示は、特定成分が含まれていないことを示す一方で、消費者に安全性や優位性を過度に印象づける可能性があります。そのため、対象成分を明確にしたうえで、ガイドラインに沿って慎重に運用することが望ましいとされています。
さらに、化粧品のパッケージには、成分表示以外にも以下の情報を記載する必要があります。
- 製造販売業者の氏名または名称および住所
- 内容量
- 使用上の注意事項
- 製造番号または使用期限(必要な場合)
これらはいずれも「パッケージ記載義務」に該当し、記載漏れや不備がある場合には行政指導の対象となる可能性があります。
使用期限については、通常の保管条件下で3年以上品質が安定している化粧品であれば、省略が認められています。一方で、3年未満の場合には、「使用期限」または「製造番号」などの表示が必要です。
このように、成分表示は単なる情報開示ではなく、法令順守や消費者保護の観点からも重要な要素です。販売ページや広告表現と内容に齟齬がないかを確認しながら、誤認を招きにくい表現で運用することが求められます。
「特定成分の特記表示」に関するルールが2025年に改正
2025年(令和7年3月10日)の制度改正では、化粧品における「特記表示」の運用ルールが見直されました。特記表示とは、「〇〇配合」など、特定成分を強調して表示する表現を指します。近年では、一部成分のみを強く訴求する広告表現が増加し、消費者に対して、特定成分に特別な効果や優位性があるかのような印象を与える可能性が指摘されていました。
今回の改正では、こうした誤認を防止する観点から、表示内容の適正化や、訴求表現に対する根拠の明確化がより重視されています。特に、強調表示を行う場合には、配合目的や訴求内容との整合性を意識し、消費者に誤解を与えにくい表現とすることが求められています。
特記表示の条件と具体例
特記表示を行う場合は、対象成分が実際に配合されていることに加え、表示内容が客観的事実に基づいている必要があります。また、特定成分のみが特別な効果や優位性を持つかのような表現は、消費者に誤認を与える可能性があるため、慎重な運用が求められます。表示にあたっては、製品全体の中での役割や配合目的を適切に伝えることが重要です。
例えば、「ヒアルロン酸配合(保湿成分)」のように、成分の用途を補足した表現は、内容を理解しやすい表示例とされています。一方で、「奇跡の成分配合」「劇的変化」といった、効果を過度に強調する表現は、薬機法上の観点から問題となる可能性があります。また、配合量がごく少量であるにもかかわらず、大きく訴求する表示についても、消費者に誤認を与えるリスクがあるため注意が必要です。
薬機法に違反してしまった場合の罰則・リスク
薬機法に違反した場合、企業にはさまざまなリスクが生じる可能性があります。例えば、行政による指導や改善命令の対象となる場合があり、違反内容によっては、業務停止命令や販売停止などの措置につながるケースもあります。さらに、課徴金制度の対象となった場合には、違反表示によって得た売上の一部について経済的負担が発生する可能性もあります。
また、広告表現に関する問題は、法令対応にとどまらず、企業の信頼性にも影響を及ぼします。近年では、SNSや口コミサイトを通じて情報が拡散されやすく、広告表現への指摘がブランドイメージの低下につながるケースも見られます。一度生じた風評リスクは、広告停止や売上減少など、長期的な影響につながる可能性もあるため注意が必要です。
そのため、問題発生後の対応だけでなく、事前に広告審査体制やチェックフローを整備し、表示リスクを未然に防ぐ取り組みが重要とされています。
関連記事:Instagram炎上の企業事例12選!原因や対処法、対策方法を徹底解説
広告審査代行サービスの導入で薬機法などの法令順守の強化に成功した化粧品広告事例
大手美容D2Cメーカーでは、広告出稿数の増加に伴い、社内の審査体制が追いつかず、正社員2名が広告チェック業務に多くの時間を割かれている状態が課題となっていました。また、判断基準が担当者ごとに異なることで、審査のばらつきや確認漏れといったリスクも発生していました。
そこで広告審査代行サービス「AdTRUST」を導入した結果、一次審査業務を外部化し、約2人月分の工数削減を実現。さらに最短1時間でのフィードバック体制により審査スピードが大幅に向上し、広告出稿量は約2.4倍に増加しました。加えて審査コストも約40%削減され、法令順守とマーケティング施策の高速化を同時に実現しています。
参照:美容D2CメーカーA社様の導入事例 | SORILa(ソリラ)
まとめ
薬機法における化粧品は、「人体に対する作用が緩和なもの」と定義されており、広告やパッケージで表示できる効能効果についても、厚生労働省が定める範囲内に限定されています。そのため、認められた効能効果の範囲を超える表現や、誇張的なNGワードの使用は、薬機法上の問題につながる可能性があります。
特に、広告表現や成分訴求では、「シワが消える」「肌が再生する」など、医薬品的な効能を想起させる表現に注意が必要です。違反が認められた場合には、行政指導や広告修正対応だけでなく、企業イメージやブランド信頼性への影響につながるケースもあります。
こうしたリスクを抑えるためには、成分表示や広告表現に関するルールを正しく理解し、関連ガイドラインに沿って運用することが重要です。
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参考情報・一次情報
- 厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/
- 消費者庁:https://www.caa.go.jp/
- e-Gov法令検索:https://elaws.e-gov.go.jp/
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、法的助言を行うものではありません。個別の事案に関する判断や対応については、弁護士その他の専門家へご相談ください。
この記事の監修者

SORILaコンテンツ編集チーム
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